2023.06.05 【エコファースト企業~環境の日~特集】 分野別動向 製造

製造業は低温はんだなどグリーンプロダクトの開発を加速している

グリーンプロダクト開発に力

 さまざまな業界においてカーボンニュートラルに対する関心が高まり、CO₂削減に向けた取り組みが加速している。

 製造業でも、企業としての環境ビジョン策定に始まり、工場のグリーン電力導入や、工場のスマート化などでの「電力の見える化」による消費電力削減など、幅広い取り組みが行われている。

 同時にグリーンプロダクト(環境配慮型製品)の開発を強化し提供することで、顧客のカーボンニュートラルに貢献する動きも活発になっている。

 さらに、製品の開発から製造、仕様、廃棄までのPLM(製品ライフサイクルマネジメント)を視野に入れ、環境負荷の最小化を目指す発想も広がってきた。

 資源エネルギー庁によると、日本の消費電力量はビルや工場など産業用が全体の75%を占め、そのうち55%はモーターの消費電力とされる。

 このためモーター自体の高効率化とともに、モーターを効率よく動かして省電力を実現するインバーターの普及が進む。

 はんだ業界では低温はんだ(低融点はんだ)の普及に乗り出している。はんだの融点が低いことは、はんだ付けするはんだ槽の省電力化や実装工程の簡略化など、ソルダリングのさまざまなプロセスにおいて好影響を及ぼし、その結果がカーボンニュートラルにつながる。

 機械要素部品であるボールねじでは植物由来のバイオマスプラスチックの採用が始まっている。100%植物由来の資源を使用することで、従来の化石由来の製品に比べて、製品ライフサイクル全体でCO₂排出量を9割削減できるという試算もある。