2023.06.20 政府、コンビニ交付サービスの一斉点検終了、公金口座誤登録防止へ近く対応も
総務省とデジタル庁は20日、マイナンバーカードを活用したコンビニエンスストアでの証明書交付サービスで、交付システムを提供する富士通Japanによる一斉点検が17日までに終了したことを明らかにした。一方、マイナンバーとひも付けて給付金の受け取りなどに使用する「公金受取口座」を巡っては、誤登録を防ぐためのシステム改修を経て、近く運用を始める方針だ。
マイナンバーカードを巡っては、コンビニで住民票の写しなどを交付するサービスを利用する際に別人の証明書が発行されるなどの不具合が発生。不具合が生じたシステムの運用事業者の同社が、システム停止を伴う一斉点検を進めていたが、対象となる123団体全ての点検・改修が完了した。
松本剛明総務相は同日の閣議後記者会見で、「プログラムの不具合は改修し、高い負荷をかけた場合の動作確認などの総点検を行ったところ、システムに異常はなかったという報告を受けている」と説明。今後も「マイナンバーカードを安心して利用できるよう、デジタル庁など関係省庁と連携して必要な対応を進める」とも述べた。
同省によると、同社が証明書の誤発行防止を徹底するため、申請者と印刷ファイルのデータがひも付いていることを確認する機能の開発を完了。今後、実装を順次進めていく。管理するコンビニ交付システムの品質を高いレベルに引き上げて標準化するための検討も進めるという。
また、公金受取口座の誤登録を防止するためのシステム改修を近く終え、23日の運用開始を目指す考え。河野太郎デジタル相が同日の会見で表明した。
口座の登録開始時だけではなく、完了時にもマイナンバーカードを改めて読み込むことで、ログアウト忘れによる誤登録を防ぐ。
公金受取口座の誤登録は、マイナンバーカード取得者にポイントを還元する「マイナポイント」の手続き時に自治体の支援窓口で発生。窓口の端末で先に登録作業を行った人のログアウト忘れが要因だ。同庁が総点検を行った結果、誤登録の可能性が高いケースが748件確認されたという。