2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】コアスタッフ ハイブリッド営業強み 余剰在庫削減サービスなど新サービス提供
戸澤 社長
コアスタッフはWeb販売と従来型の営業を組み合わせたハイブリッド営業を強みに事業拡大を続けている。近年続いた半導体・電子部品の旺盛な需要が一転し、昨年後半から市況は低迷。物流体制の強化や新サービスの準備を進め、需要の立ち上がりに備える。
半導体不足は一部製品を除いて解消されている一方、在庫が積み上がり、上期(2023年4~6月)の受注は力強さが欠ける。
戸澤正紀社長は「6月から一部の分野では需要回復の兆しも見え始めた。緩やかながら着実に回復し、10月以降には目に見える形で需要が立ち上がることを期待する」と話す。
こうした状況の中、今期を足場固めの年と捉え、体制強化を進めている。物流面では長野県佐久市に新物流センターを建設中。地上4階建て、延べ床面積約1万5000平方メートルとなり、膨大な在庫を保有できる。来年7月に完工し、9月から本格稼働を予定する。
営業面では自社の強みである「ハイブリッド営業」を強化。Webの改修を進めるとともに、過去の購入履歴を分析し、顧客に提案を行うなど、積極的な営業活動を展開している。「膨大な情報を活用し、顧客が必要なものを必要な時に提案する」(戸澤社長)。
半導体不足によるパニック的な調達により、余剰在庫を抱える顧客が増えている。そうした顧客を対象に「余剰在庫削減サービス」を提案。委託販売や提携販売、一括買い取りなど顧客の要望に応じ、さまざまな形態で対応する。同サービスは同社の海外拠点(香港、深圳、米国、タイ)でも提供している。今年10月にはドイツでもサービスを開始する予定だ。
余剰在庫のほかにも多様化する顧客ニーズに対応し、新たなサービスを計画。「PLOS(プロキュアメント・ロジスティック・アウトソーシング・サービス)」は、課題の多い物流業務と購買業務を組み合わせて受託するサービス。そのほか、同社が保有する在庫を特定顧客向けに確保し、一定期間は必要数量で自由に購入できるVMIのようなサービスを導入予定で、今秋のサービス開始を目指す。