2023.07.27 【半導体/エレクトロニクス商社特集】RYODEN 〝事業創出会社〟に転換加速 新規事業領域を拡大
富澤 社長
RYODENは、4月1日付で社名を菱電商事から変更した。FA・冷熱・ビル・デバイスの4基幹事業に加え、「事業創出会社」としてスマートアグリ、ヘルスケアなど新たな事業領域を拡大している。
社名変更に伴い、新しいコーポレートブランドの浸透や、中長期の視点で新規事業のブランド戦略を推進する「コーポレートコミュニケーションセンター」を4月1日付で新設。「戦略技術センター」も新たに設けた。
富澤克行社長は「戦略技術センターはソリューション推進に関わるデータ収集と活用など、全社的な技術の側面からの戦略を強化するプラットフォームとして運営する。当社のコア技術、強みを総合的に発揮し、顧客視点で多様な事業を推進する」と方向を示す。
FA事業では「生産ライン丸ごと受注」を強化し、既に実績が上がり始めている。
ICタグを活用したパレット管理システム「ATLAS-Things」、エネルギーマネジメントシステム「Remces」、ビジネスカメラソリューション「FlaRevo」などさまざまなソリューションを提供。FlaRevoは食品工場などで売れ行きを伸ばす。
また、信州大学と協業し、歯科の治療現場で使われる微細部品のレーザー加工によるソリューションを開発し、提供を始めた。
デバイスはパワー半導体、アナログ半導体、センサーを主力に展開。「CPD置き去り防止ミリ波レーダーセンサー」など車載向けソリューションも充実させている。
スマートアグリ事業では2022年5月から稼働している次世代型植物工場「BlockFARM」(沼津市)で、ホウレンソウ3㌧/日の量産体制を整えた。
富澤社長は「植物工場は当社のセンシング、FA、環境制御技術により実現した。消費エネルギーを通常の半分に抑え、多品種変量生産への対応も容易にできることから、今後より付加価値の高い多品種の葉物野菜生産に取り組む。野菜の流通まで含めた植物工場のパッケージ販売も手掛けたい」と語る。
海外事業では中国市場強化の一環で21年の安徽省合肥市に続き、昨年は福建省アモイ市に新拠点を設けた。