2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】NECフィールディング 形山嘉浩社長
トータルサポート充実へ
相模原に新補給倉庫を開設
自治体向けのネットワーク強靭(きょうじん)化事業が昨年度に続き好調を維持している。大型案件にも挑戦できるようになり事業を下支えしている。オンプレミス(社内運用)とクラウドのハイブリッド型の導入に加え、サイバーセキュリティー対策も好評だ。
ランサムウエアや標的型攻撃対策として昨夏から提供を始めた「ゼロトラストソリューション」は、規模に応じて三つのサービスを用意し導入しやすいようにした。
全国約340拠点、約3200人のエンジニアによる24時間365日体制で培った保守網のノウハウが強みを発揮できた。
データを活用して保守サポートを展開する「トータルサポートサービス」の業界トップを目指し、刻々と変化する顧客ニーズに迅速に対応できる体制づくりを進めている。
商社系や外資系IT企業が展開するIT機器の保守を請け負う事例も増えていることから、さらに攻勢をかける。デジタル人材が不足する中、メンテナンスまで人員を配置できない企業も多く、ニーズは強い。
メーカーや機器を問わず保守サポートするマルチメンテナンスでは、医療機器やフロンを使う冷蔵機器、ロボット関連の保守も充実させている。医療機器は全国26カ所で対応でき、冷蔵機器の保守ではフロン関連機器の資格取得者を今年度中に30人増やし、270人まで拡大したい。
NECと連携して量子アニーリング技術を使った部品配送の効率化に取り組んでいるほか、部品在庫の最適化に向けては、約130万点ある全部品在庫にRFIDタグを付けてトレーサビリティー(追跡)をできるようにしている。
一大パーツ拠点である川崎テクニカルセンターのバックアップ補給倉庫(第二補給倉庫)となる「相模原テクニカルセンター」を9月に開設する。量子技術やタグだけでなく、自動走行システムといった最先端機器を導入して、さらなる効率化につなげたい。
後半戦に向けては、2024~25年と想定されるGIGAスクールのネットワーク更新に備え、運用をサポートするマネージドサービスの導入を進める。
今年度からスタートした中期経営計画では、NEC本体からの受託事業と、当社独自の自主自立事業の割合を従来と同じ50%ずつとした。比率は変えず、NECの事業を伸ばしながら自主自立事業も伸ばし、全体を底上げすることで成長を図りたい。