2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】日立ソリューションズ・クリエイト 南章一社長

SIの生産性を高める

品質とマネジメント力強化で

 SI(システム構築)とソリューションサービスの2軸で事業を進める中、2022年度からの中期経営計画は「ワークスタイルイノベーション」「モダナイズイノベーション」「セキュリティーイノベーション」「サプライチェーンイノベーション」「ペイメントイノベーション」の五つを重点事業として掲げ取り組んできた。

 当社中計は3年後の24年度を最終としながらも5年後の在るべき姿を見据えて計画した。初年度は金融や電力のSIが順調に伸びてきた一方、ソリューションは分野によって伸びに濃淡が出た。

 全体では順調だが23年度は、SIは品質とマネジメント力を強化しながら生産性を高めたい。ソリューションは動きの速い世の中に合わせて柔軟に取り組む必要がある。重点5事業も積投資する分野を見極めていく。

 足元の市場をみてもシステムのクラウド対応は増え、モダナイズはSIと連動しながら進むとみている。ワークスタイルは、マイクロソフトの「チームズ」を活用できる独自開発の「仮想オフィス」を本格的に展開してきた。社内でも活用しノウハウを積んでいる。

 コロナ後の生活がスタートしている中では働き方も出社とリモートとのハイブリッド型になってきた。これまで以上にコミュニケーションの改善が求められるため仮想オフィスの活用経験を生かした提案をしていきたい。

 セキュリティーは需要が底堅い領域だ。当社はセキュリティー専任技術者(ホワイトハッカー)による高度な支援ができる体制を整えている。セキュリティー診断をはじめトレーニングや研修もできる。企業のセキュリティー部門強化に向けた支援も進めていく。

 今年4月、日立インフォメーションエンジニアリングからテクニカルコミュニケーション事業を移管した。この事業は、マニュアル制作や翻訳などのテクニカルドキュメンテーションと呼ぶ領域の支援や、ユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの領域を支援する。

 当社にない事業領域になるため、当社事業と連携しシナジー(相乗効果)が出せないか検討していく。当社のソリューション販売力を活用しながら、企業の新たな課題解決ができると期待している。

 今年度は引き続きSIとソリューションの両面で成長を目指し、特にソリューションは独自性を出していきたい。日立ソリューションズとの連携も強化し、SX(サステナビリティー・トランスフォーメーション)にも取り組んでいく。