2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】富士通コミュニケーションサービス 金井美紀和社長
全社横断で最適サービス
CXとDX推進部門中心に
主力のコンタクトセンター事業で長年培ってきた知見を生かし、顧客接点をよりよくするカスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値=CX)向上の支援に取り組んでいる。2022年度は「変革の年」と位置づけ、ソリューションや体制面の見直しを検討してきた。
23年度は「変革2年目」として組織体制を見直した。4月からCX実現に不可欠なDX支援を組織横断で取り組めるようにするとともに、各事業部門で個別に展開していたサービスを部門横断で提供できるようにした。組織の見直しは経営層から現場まで時間をかけて合意形成し踏み切ったが成果にもつながり始めている。
4月からは各本部にビジネス企画室を設置するとともに、組織横断でDXを推進するDX推進統括部を新設した。CXとDXを推進する部門ができたことで、各部門で取り組んでいたサービスメニューを全社横断で最適なサービスを提供していけるようになった。
CX人財の育成も進んできた。22年度からCX推進リーダー育成プログラムをスタートし、既に20人が研修を終えた。このプログラムから生まれた新たな付加価値の提案が実際の案件につながったケースも出てきた。多面的な情報を分析しEC(電子商取引)サイトのモール改善の提案を行い高い評価を得たケースもある。
コンタクトセンターの受託をしている顧客に対し、CX向上を実現するプラスアルファの提案ができるのは、当社ならではの価値になる。こうした細かなデータを分析した、課題に寄り添った提案を今後さらに増やしていきたい。育成プログラムも今年度は50人が受講する。
今後は営業を強化していく。新たにビジネスプロデュース統括部を設置しソリューション型の提案に取り組みはじめた。CXやDXを中心にしながらソリューションとして売り出していく。社内のデジタル化ではコンタクトセンター基盤のフルクラウド化を進め、音声、メール、チャット、SNSなどマルチ対応できるようにした。今後本格的にセンターでの対応力を高めていく。
あわせて生成AIの社内活用も始めた。社内教育ツールに適用したもので、コンタクトセンターのオペレーターの訓練などに生成AIを活用することで効果的に教育や訓練ができるようになった。
顧客企業も変革を模索している中で、顧客に寄り添ったDXや自動化の提案をしてCXや事業拡大の支援をしていきたい。