2023.08.31 【ソリューションプロバイダー特集】内田洋行 大久保昇社長

働き方・学び方変革強化

人とデータへの投資支援 加速

 ICT構築と働く場や学ぶ場といった環境構築の両面で支援できる強みを生かし「働き方変革」と「学び方変革」に取り組んできた。2021年7月からの第16次中期経営計画では顧客の「人」と「データ」への投資を支援することを掲げ、デジタルを活用した真のトランスフォーメーション(変革)を実現する取り組みを強化している。

 GIGAスクール構想の特需もあり21年7月期に過去最高業績を達成して以降は〝アフターGIGAスクール構想〟と位置づけ、特需を除いた当社の基盤となる事業(ベースライン)の底上げに取り組んできた。中計2年度目は民間企業のICT投資が旺盛で、全体の業績も当初計画より上回って推移している。

 この一年で体制も強化した。これまでウチダエスコを完全子会社化しICTサービス基盤をグループで共有できるようにしてきた。7月は企業内外のあらゆるデータの分析や活用で知見のあるスマートインサイト社を吸収した。10年前にウチダスペクトラムから新設分割したが、再び当社と一緒になった。今後は一体となってデータ利活用の支援をしていく。

 教育関連では5月にルクセンブルクが本社のオープン・アセスメント・テクノロジーズ社(OAT)を完全子会社化。OATは経済協力開発機構の学習到達度調査などに採用されるコンピューターテスト(CBT)の基盤をオープンソースで開発している。今後は当社のノウハウを生かし教育向けICT支援を加速させたい。

 今回、働くデータを扱う企業と学ぶデータを扱う企業の2社が新たに加わり働き方変革と学び方変革の両面で高度な支援ができるようになった。

 働き方変革では、出勤とテレワークを組み合わせるハイブリッドワークを推奨している。これらを実現する独自の「スマートオフィスナビゲーター」も実績が増えてきた。新年度からはICTとオフィス環境を融合し構築支援する「エンタープライズエンジニアリング事業部」も新設した。

 数年来続けている自治体や教育機関との連携も進めていく。この一年で東京大学や上越教育大学との連携を進めていくことにしたほか、福井県越前市ともDX推進の研修に取り組み始めた。自治体と学校データとを活用していく取り組みも一部で始まっている。

 今年度は、今までの施策を着実に実行させる。体制も整ったことから、人とデータへの投資の支援をさらに加速させる。