2023.09.11 各地域電器店、キャッシュレス決済の多様化進む

手のひらサイズの端末(左下)とスマートフォンを連動し、どこでもカード決済が可能に(京都電工)

 非接触、スピーディーの利点を前面に、コロナ禍で一気に普及したキャッシュレス決済は地域電器店にも浸透している。従来のクレジットカード決済に加え、各種電子決済や自治体関連のサービスにも対応するなど顧客の利便性向上へ取り組みが進められている。

 電器店の夏商戦では、販売店施策としてクレジット会社が販売店向けにキャンペーンを展開している。このタイミングに合わせ、各販売店はクレジットの活用を推進。カード会員の新規加入獲得に力を入れている。

 パナソニック系のあい電ダイワ・一番館店(山形県酒田市)では、クレジット決済のデジタル化を進めている。スタッフ全員にタブレットを支給し、家電購入などその場で決済ができるようにしている。4月から8月末まででクレジットの利用率は56%まで進み、同店ではさらに伸ばしていきたいとしている。

 京都電工(京都市中京区)では、コンパクトなキャッシュレス決済端末「Square(スクエア)リーダー」を導入。手のひらサイズの端末はブルートゥース接続でスマートフォンと連動し、専用アプリを介してクレジットカード決済ができる。同店社長は「端末を持ち出せば、顧客宅でカード払いができる便利さが好評だ」と話す。同店にとっては、スクエア側からの入金の早さが導入の決め手となったという。

 パナソニックショップのマツシタデンキ(大阪府高槻市)は、PayPayやau PAYなど多彩な電子決済サービスができる体制を整えた。利用者は若い世代が多く、管球類など小物商品で利用する傾向が多いという。高槻市では地元商店などで活用できるプレミアム率150%の商品券のサービスも開始。デジタル商品券も用意され、店頭ではさまざまな電子決済に対応できることをアピールしている。

 (12日付電波新聞、電波新聞デジタルで詳報します)