2023.09.25 【九州・山口産業特集】九州総通局、多言語翻訳アプリ活用を訴求 31カ国語に対応 訪日外国人と接点
PRポスターと塩崎局長
訪日外国人の数はコロナ前に戻りつつあるが、九州で台湾企業の進出など、今後はさらなる増加が見込まれる。観光だけでなく交通機関や病院の利用といった日常シーンでも外国人との接点は必要になってくる。
九州総合通信局は情報通信研究機構(NICT)が開発した多言語音声翻訳アプリ「VoiceTra(ボイストラ)」と同技術を活用した民間サービスの周知を図っており、このほど福岡市と熊本市で、NICTによる説明会も開催した。
ボイストラは31カ国語に対応し、話しかけると外国語に翻訳してくれ、音声出力と画面にテキストでも表示される。iOS版とアンドロイド版があり、ダウンロード、利用ともに無料。8月末で836万ダウンロードを超えている。個人旅行者の試用を想定して作られた研究用のため、サーバーは研究目的のものを使用している。
この技術を活用した民間サービスとして、ソークネクストの「POCKETALK」、コニカミノルタの「医療通訳タブレットMELON」などがあり、九州ではQTnet(福岡市中央区)と台湾のスタートアップ企業VM-Fiが、博多駅での実証を経てリアルタイム音声翻訳AI(人工知能)ソリューションのサービスを提供している。
塩崎充博九州総合通信局長は、最近増えている水害など自然災害の時に、訪日外国人が情報弱者になってしまう可能性が高いと指摘、「国の機関が提供しているということで安心感があると思う」と、多言語でのコミュニケーションにボイストラを活用してほしいと語った。
同局と熊本県や熊本市などが、海外でも人気の「くまモン」のキャラクターを使ったポスターを作成。日本語版、英語版、中国語(繁体字)など5種類あり、各自治体や熊本市内の病院などで展開している。