2020.03.05 三菱電機 進化を続ける〝3in1テレビ〟「REAL」、清水勉 家電映情事業部長に聞く

テレビ事業について語る清水事業部長

 三菱電機の録画テレビ「REAL」は19年で発売から10周年を迎えた。液晶テレビにHDD(ハードディスクドライブ)とブルーレイ/DVD/CDを内蔵、「見る」「録る」「残す」を1台でこなす〝3in1テレビ〟にこだわり続けて10年―。

 高精細4K時代に入った今もコンセプトを曲げずに製品を進化させている。20年も録画テレビを前面に展開するというリビング・デジタルメディア事業本部・清水勉家電映情事業部長に話を聞いた。

 ―19年のテレビ事業はいかがでしたか。

台数は堅調に推移

 清水事業部長 10月の消費税増税の駆け込み需要と反動が限定的だったこともあり、台数は堅調に推移しているほか、新4K衛星放送対応チューナ内蔵の大画面モデルの構成比も50%を超えており、単価も上がっている。月ごとに波はあるものの総じて良いと見ている。

 ―主要テレビ各社が大画面高画質を訴求していますね。

 清水事業部長 18年12月の新4K8K衛星放送スタート前に、4Kチューナ内蔵の4K録画テレビ「RA1000」を発売した。独自の映像処理エンジン「ダイヤモンドエンジン4K」をはじめとした高画質技術により、あらゆる映像をきれいに再現。

 さらに、4K放送が録画できるハードディスクと、4Kブルーレイ規格に対応したレコーダを内蔵した4Kテレビは当社だけで、1台で「見る」「録る」「残す」の全てに対応できるところが評価されている。

 ―昨年10月に発売した新製品の特徴は。

4Kダビング対応

 清水事業部長 4K録画テレビ「RA2000」(58V、50V、40V型)は、録画機能やスマートフォン連携による宅外視聴などの機能を強化した。録画では従来ハードディスクへ録画した4K放送をダビングする際は、2K(ハイビジョン)のみだったが、新製品はブルーレイディスクへの4Kダビングもできる。

 宅外からの視聴にも対応し、録画番組などを外出先からもスマホで楽しめるようになった。インターネット動画の対応も広げた。ネット動画の視聴に対する要望が多いことから、これまでのYouTubeに加え、AbemaTVもリモコンのボタンですぐに視聴できるようにした。

 ―テレビ各社は音質面も強化していますが、REALシリーズはいかがですか。

画面と一体の高音質

 清水事業部長 カーボンナノチューブ配合の「ダイヤトーンNCVスピーカー」をディスプレイ前面下に搭載し、高音質を前面に出してきた。

 新製品はスピーカの設置などを最適化し、画面と一体となった高音質を実現しているほか、ブルートゥースに対応したことでスマホなどの音楽もテレビのスピーカで楽しめる。

 ―20年の見通しは。

 清水事業部長 今年は昨年に続いて大きなスポーツイベントも控えて、大画面4Kテレビの販売にも期待がかかる。録画や宅外視聴などへの要求も高まることから、1台で全てを解決できるREALの良さをさらに訴求していきたい。

 REALは10周年を迎えて、今後は買い替え需要も増えてくるとみている。これまでは中高年層から評価を得てきたが、スマホ連携などによって女性や若者層の購入も増えてきている。

 購入層が想像以上に幅広くなっていることは事実で、今後はキャンペーンなどを行いながら幅広く提案をしていきたいと考えている。同時にホテル向けなどBtoB(法人向け)事業にも力を入れていく。