2023.11.10 【電池の日特集】環境配慮の取り組みが進む パッケージに紙素材など、プラスチック使用量を削減
エシカルパッケージ(写真左)と従来パッケージの違い(パナソニックWebサイトから)
資源循環型社会の実現が重視される中、乾電池でも環境に配慮した取り組みが進み始めている。具体的には、パッケージに紙素材を採用するなどでプラスチック使用量を削減しようとする取り組みだ。今後、こうした企業姿勢は乾電池を選ぶ際の決め手の一つになる可能性もあり、各社注力姿勢を鮮明にしつつある。
パナソニックは、2021年度に品番限定で発売したエシカルパッケージを乾電池「EVOLTA(エボルタ)」シリーズの通常ラインアップにも拡大している。台紙とプラスチックカバー、乾電池を包むシュリンクフィルム包装からなる従来のブリスターパッケージに対し、乾電池を入れる紙袋だけにしたのがエシカルパッケージ。ブリスターパッケージに比べて包装材使用量を約38~59%削減した上、パッケージは全て紙として廃棄できるようしている。エボルタNEOとエボルタの対象製品を従来のパッケージからエシカルパッケージに変えることで、包装材使用量を年間で合計約19㌧削減可能と試算する。
パナソニックは「(エシカルパッケージは)中身の電池が見えないという意味でチャレンジングな取り組みだったが、お客さまには受け入れられており販売も順調」とする。エボルタNEOは4~9月、計画比で約110%と販売は好調だ。
FDKも、高性能なアルカリ乾電池「プレミアムS」で、包装材印刷の一部にバイオマス素材配合のインキを使用したり、環境配慮の「森林認証紙」を採用したりすることで、環境対応を推進。環境負荷低減に向けた取り組みは今後も求められるとみて、対応を強化していく構えだ。