2024.01.03 【暮らし&ホームソリューション特集】’24各社の戦略 マクセルイズミ 椙棟直人社長

椙棟 社長

チャレンジを実行できる会社に
ブランド認知度の向上図る

 2023年は、拡大・成長に注力した。中でも、シェーバーは10月に新製品を発表した。

 コロナ禍でシェーバー市場は成長鈍化していたが、ようやく前年を上回るようになってきた。

 5年以上切れ味を保持して替え刃をせずに長期間快適に使える6枚刃電気シェーバーで、市場に新たな風を吹かせようと開発に取り組んだ。

 サステナブルを大切にする中で、替え刃を5年間しなくてもいいという提案は、強いメッセージとしてユーザーに届いたと思う。

 消耗品ビジネスという観点では影響するが、コストを含め事業として成立できる企画として実行することができた。今後も製品コンセプトを定着させてイズミブランドを根付かせたい。

 企業としての方向性をブレることなくアプローチすることで、企業にとってプラスになる施策を打ち出したい。

 新製品だけでなく、定番商品も大切に、普遍的な部分を残していることもブランドの特長だ。

 普遍的な物を狙って作るのは難しい。普遍とはシンプルであり、いかにベースをしっかりと作り上げるかが大切だと考えている。ベースの上に挑戦を積み重ねて、ブランドとして生き残りをかけていく。

 24年は、シェーバーの大きな新製品発表はしない予定。開発の期間に充てたい。一方で、現行製品のマイナーチェンジを含めた新製品は複数発表したい。

 現在、「リボーンプロジェクト」として、日の目を見なかった製品や技術から再び価値を見いだす取り組みを行っている。社長として、アイデアに投資することは続けていきたい。チャレンジを実行できる会社を目指していく。

 このプロジェクトから、第1弾の製品を発表したい。

 サステナブルとしては、使用する材料を意識する。軽量化させながら強度を高めるなど、サステナブルにより製品価値を高めていく。梱包(こんぽう)や取扱説明書の在り方を適宜見直し、全社の取り組みとして実行したい。合わせて、メーカーの責任として、品質の追求は続けていく。

 イズミらしさ、企業価値を向上させるため、一つ一つ着実にステップを進めていく。そして、認知度を向上させる施策も合わせて実行する。

 ブランドについて知ってもらうため、看板などを設置している。合わせて、地域貢献活動の一環で、スポンサーとして本社や事業所がある地域のスポーツチームに関わっている。

 近隣地域の小学校などを対象に社会見学として工場などに受け入れもしている。従業員にとって、子どもたちに見られて恥ずかしくないモノづくりを続けようと新たなプライドが生まれ、活気ある職場になっている。

 今後、子どもたちが大人になった時にリクルートで選んでもらえる企業でありたいと思う。足元はもちろん、10年後、20年後を意識した活動を続けていく。