亡き母思い歌う新曲

　演歌歌手の谷龍介は、新曲「杖」（徳間ジャパンコミュニケーションズ）で家族や友人に対する絆を歌い上げる。

　2023年を振り返って、谷は「静から動に移り変わり、一気に忙しくなった」と話す。

　中でも、地元広島のマツダスタジアムで行われた広島カープの試合で国歌斉唱したことが大きな出来事だった。「ずっと国歌斉唱が夢だった。やりたかったことができて幸せだった」と話す。亡くなった母の生前の願いでもあり「父が見に来てくれた。親孝行ができた」と笑顔を見せる。

　年1回のペースで発表している新曲は、谷の願いもあり、作詞作曲は吉幾三が担当した。

　「俺のこの手を 握り返して 背中支える 杖を見た」という箇所では、思わず涙がこみ上げるという。谷は「母をみとることができた。手をさすりながら亡くなった2人きりの空間を思い出す」と話す。

　歌唱時には「温かさを伝えるため、言葉をはっきりと発音することを心掛けている」という。

　今後の目標は「人の心に歌を届けること。感動させる歌手になりたい」と力を込める。「ヒット曲を出したい。カラオケでもたくさん歌ってもらい、健康になってもらいたい」と谷。ファンの笑顔のため、SNSの投稿も積極的に続けていく。