2024.01.04 【家電流通総合特集】アトムチェーン本部 井坂 博史社長
井坂 社長
パートナーシップ強化を視野
新FC店体制を整える
設立35年を迎える。この歴史の中で加盟店は880店に拡大。最近では家電店だけでなく、異業種も加盟している。家電業界に新たに参入するスタッフのために、技術力を高めることを目的とした技術研修をおととしから開始。昨年4月には商品・販売研修を始めた。
技術研修は差別化できる要素として取り組んでおり、エアコン工事など技術力を高めるカリキュラムを用意。受講者する人が一定数おり、毎月開催している。加盟したいと考えている異業種や家電店に入ったばかりのスタッフなどが利用している。
現在は、ある程度の期間をかけてのカリキュラム体制だが、今年は工事、エアコンクリーニングなど、短期間で受講できるテーマ別のカリキュラムを開設予定。受講しやすい体制を整える。
商品・販売研修は座学をベースに商品知識だけでなく、ロールプレイングなどで販売手法も教える。受講者を募っている状況だ。売りっぱなしの店を作らず、地域に根差した店づくりを推進したい。
ソフト面でも支援体制を整えている。2年前から、大型商品の配送支援を行っており、ドラム式洗濯機や大型冷蔵庫など重量物を中心に利用者が増えている。今後は石綿関連の勉強会などがあればアナウンスし、コンプライアンス面でもサポートする。国の補助金関連情報の提供も推進したい。
今年は取引先とのパートナーシップ強化を視野に入れ、新FC店体制を整える。統一看板を取り付け、増客増販マニュアルの活動などブランディングを意識したもの。アトムチェーン本部内に新組織を設置し、従来のFCとは別組織として動く。テーマは「くらしのコンビニ」(仮)。
FC料金は現行FC店より少し高くなるが、ニュースレター、チラシ配布など増客増販マニュアルを推進することでリベートが入り、FC料金上昇分をカバーできる。1月の会議で募集を開始し、3月までを準備期間と位置付け、4月から本格展開する予定だ。時代が変わり、価値観も変わる中、「あなたの店から買いたい」と思ってもらえる店を増やし、取引先との関係強化にも努める。
チェーン全体の昨年4月からの状況は、メインのエアコンが7月に金額で前年比130%と伸び、10月以降も120%で推移。トータルでも前年を上回っている。テレビは前年より落ちているが、冷蔵庫、洗濯機は前年並み。高付加価値機種と普及機種の二極化が進んでいる。
住設関連は、国の補助金の後押しもありエコキュートが前年実績を上回っている。水回り商品も前年以上で推移している。
今年は国の補助金が継続されることでリフォームやオール電化などが伸びるとみる。従来のエアコンなどの家電に加え、住設関連も確実に伸ばしたい。