2024.02.21 【IHクッキングヒーター特集 】買い替え・リフォーム需要喚起

時短調理から本格調理まで調理性能が進化したIHクッキングヒーター

 家庭でおいしい料理を楽しみたいという人も増え、200VビルトインIHクッキングヒーターにも関心が集まる。時短をはじめ多彩な調理機能が充実するほか、安心・安全・クリーンな調理機器として浸透している。最新のモデルではグリルの調理性能の向上など調理器具としての進化が加速し、使い勝手がさらに向上している。

 200Vビルトインタイプ(2口以上)は、買い替え需要も加わって安定した需要がある。IHクッキングヒーターを一度使用したユーザーは、リピート率が高く、買い替え提案が重要となっている。

 IHクッキングヒーター市場では新規(熱源転換)、買い替え・リフォーム需要があり、市場拡大には新規はもとより買い替え・リフォーム需要の獲得が大きなテーマとなる。

 2000年前後の市場拡大期に購入したユーザーの買い替え時期を迎えている。買い替え時期を迎えるストック台数は、500万台以上ともいわれる。

 買い替え時期を迎えるユーザーに対して、IHクッキングヒーターの性能はもとより、使い勝手など、総合的な進化は目覚ましい。加熱できる素材は、鉄・ステンレスはもとよりアルミ、銅なども加熱できるオールメタル対応もでき、センサー搭載による鍋振り調理の実現や、揚げ物、焼き物の温調など、コンロとしての調理性能は飛躍的に高まっている。

 近年では、共働き世帯の増加を背景に、家事負担軽減ニーズが高まり、時短や省家事が求められるようになっており、使い勝手がさらに進化したIHクッキングヒーターの買い替え提案を加速することで、需要喚起は図りやすくなっている。

 一方、おいしさ、健康志向も強く、多様なニーズに応える機能の開発、進化が進み、顧客ニーズに寄り添った商品特長を訴求することで、需要顕在化が狙える。

 最新のIHクッキングヒーターは、とりわけ調理性能が大きく進化しており、コンロの繊細な火力制御技術はもとより、グリルの調理性能や清掃性の高さは、ユーザーにとって魅力的なポイントとなる。

 また近年、共働き世帯の増加でまとめ買いが増えており、素材を冷凍保存するユーザーも多い。パナソニックでは、冷凍した食材をそのままグリルで手間なくおいしく焼き上げる「凍ったままIHグリル」を搭載するなど、時短調理ニーズに応える機能の開発に力を入れる。

 三菱電機では、おいしさと時短料理を両立するべく、グリルに電子レンジ機能を搭載したレンジグリルIHをそろえるなど多彩な商品開発が活発だ。

 ■市場動向

 IHクッキングヒーターの需要は昨年度好調な推移を見せ、日本電機工業会(JEMA)の出荷統計によると、リフォーム需要の拡大を背景に、2022年度は、前年比106.5%と、3年ぶりの増加になった。

 今期については、一服感がみられる。23年度上期(4~9月)累計では、前年同期比84.5%で推移、4~12月期でも同82.8%と伸び悩んでいる。

 カーボンニュートラルの実現に向け、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)の普及が見込まれるが、IHクッキングヒーターは約90%と熱効率が高く、燃焼ガスも発生しないため、キッチンの換気量を少なくでき、空調負荷を減らせるなど、ZEHをはじめ高断熱住宅との相性は良い。新築住宅での導入に期待がかかる。

 買い替え・リフォーム需要の拡大については、最新のIHクッキングヒーターへの置き換え需要の喚起も重要な施策となる。

パナソニックの主力商品

ラクッキングリル搭載Aシリーズ

簡単操作でおいしく調理

200VビルトインIHクッキングヒーター高級モデルのAシリーズ

 パナソニックは、200VビルトインIHクッキングヒーターの商品ラインアップを強化している。「グリル革命」を目指したラクッキングリル搭載のビルトインIHクッキングヒーター高級モデルAシリーズ、中級モデルBシリーズや、普及・ボトムモデルでもグリルの手入れ性を高めたKシリーズ、Lシリーズなどを投入、26日からはスタイリッシュなCシリーズも加え、中・高級~ボトムの各ゾーンに、ユーザーニーズに沿った特長ある商品提案に取り組む。

 最上位モデルのAシリーズは、「ラクッキングリル」による手入れ性、光るリングや光火力センサー、「凍ったままIHグリル」など使い勝手の良さへの評価が高い。

 Aシリーズは、凍ったままIHグリル機能の進化で、丸魚や食パンも凍ったまましっかり焼き上げ、解凍の手間なく手軽に時短調理ができるメニューが3メニュー増え、計8メニューと充実。

 魚や鶏肉などを冷凍のままグリル皿に並べるだけで、新形状の遠赤平面ヒーター(上ヒーター)、角形IHコイル(下ヒーター)の高火力で、そのまま一気に焼き上げる。平面ヒーターのため、高さのある食材もラクラク入れられる。

 サケの切り身(4切れ)の場合、レンジ解凍と比べて凍ったままIHグリルは、調理の所要時間が約4分短縮できる。

 また「焼き物アシスト」機能を拡充し、子どもと楽しく一緒に調理できるメニューなど、多彩な20メニューを加えた30メニューに対応し、音声と表示でお手軽調理を実現する。

 操作性も向上し、グリル操作部にもフルドット液晶を採用し、見やすく、分かりやすい簡単操作を実現している。

 ■普及・ボトムゾーンもグリルを改良

 2022年11月投入のK/Lシリーズでは、グリルの使いやすさ(手入れ性)で、焼き網をやめてグリル皿に方式に切り替えている。

 焼き網がないため、今までのように焼き網一本一本をキレイに洗う面倒さがなく、日常洗うのはグリル皿のみと手入れの手間は今までより大きく省ける。

 今月発売のCシリーズは、スタイリッシュなデザインで、キッチンに合わせて色(ブラック・シルバー)・サイズ(75・60センチメートル)が選べる。基本機能が使いやすく、底面フラット&焼き網のないグリル皿方式も採用している。