2024.03.26 【電子部品メーカー/商社 大中華圏拠点特集】番禺工場 スミダコーポレーション EVや太陽光関連の設計から量産まで素早く対応

番禺工場の外観

桑原 EVP桑原 EVP

 スミダコーポレーションは、中国では番禺工場(広州市)を中核に7工場を展開。設計から量産までのさらなるスピードアップ、徹底した生産性向上により、付加価値の高い生産活動を展開している。

 マザー工場の番禺工場は、プレス・成型金型の設計・製作、製品設計、生産技術開発などの機能を備え、同工場で確立した生産技術の各工場への展開や、試作ラインを活用した迅速な新製品立ち上げなどを行う。

 スミダコーポレーションの桑原正幸エグゼクティブ ヴァイスプレジデント(EVP、スミダグループ製造統括責任者)は「中国工場の生産は、2023年も好調に推移。年後半は少し失速したが、特にEV(電気自動車)を中心とした車載関連や充電設備、太陽高発電関連向けなどが堅調だった」と話す。

 今後も、EVや太陽光関連などをけん引役に実績を拡大していく計画。桑原EVPは「中国のEVは技術進化のスピードが速いため、試作から量産立ち上げまでのスピーディーな流れが要求され、マザー工場である番禺工場の重要性が高まっている」とし、「番禺には金型部門もあり、金型の部品加工から組み立てまで一貫での対応が可能。日本で設計・試作した金型や生産設備の移管でも、コロナの終了で日本の技術者の中国出張が活発化し、素早い立ち上げを図れている」と話す。

 中国で開発した製品のグローバル展開や、中国で開発した生産ラインのほかのグループ製造拠点への展開でも実績を上げている。「番禺では最先端の設備開発、工程開発を行っている」(桑原EVP)。

 さらに、AI(人工知能)を活用して、検査工程を自動化するシステムの開発にも着手した。稼働状況の映像を顧客がリモート視聴できるシステムのアジアでの導入も検討する。

 「生産現場では、0.1秒単位でのタクトタイム短縮化に向け、さまざまな改善に取り組んでおり、優秀な事例のグループ内での情報共有化に努めている。間接業務の効率向上にも力を注ぐ」(桑原EVP)。