2024.04.10 東芝デジタルが生成AIでシステム逆設計 担当者不在による運用困難解決

 東芝デジタルエンジニアリング(川崎市川崎区)は今月から、生成AI(人工知能)を活用して、担当者不在で運用や保守が困難になったシステムをリバースエンジニアリングする「生成AI活用リバースエンジニアリングサービス」を販売開始する。

 ITエンジニア不足を背景に、システム運用・保守担当者が転職や退職することで、システムの運用・保守に支障を来す事態が増えている。特に、開発当時の設計や運用手順に関するドキュメントが適切に更新されていないシステムでは、経緯を知る担当者しか運用・保守できない〝属人化〟状態になっているケースが多く、情報システム部門の大きな課題になっている。

 保守困難に陥ったシステムを使い続けるためには、リバースエンジニアリングを行い、システムの動作やプログラム、データベースなどを解析し、システムやプログラム構造を明確にする設計書を逆設計(リバースエンジニアリング)する必要がある。しかし、従来の人手による方式では多くの時間とコストが必要になっていた。

 同サービスでは、現存するプログラムや運用マニュアルなどを生成AIに取り込み、生成AIにプログラム構造を解析させ、同社のITエンジニアが正当性を検証した上で、設計書を作成、整備する。

 また、生成AIで解析した結果から、システムの安定稼働に役立つ各種ドキュメントやプログラムの最適化、システム試験のテストケース生成などの提案に加え、システム刷新も提案する。