2024.05.09 アルプスアルパイン、3月期連結は増収・赤字

 アルプスアルパインの2024年3月期連結決算は、売上高は自動車生産の回復や円安効果により増収を確保したが、民生・モバイル向けの市況低迷、モジュール・システムの新製品歩留まり未達などにより、営業利益は2桁の減益となった。車載向け製品群の減損計上により、最終損益は300億円弱の損失を計上した。

 セグメント別売上高は、コンポーネント事業は、車載市場向けは増加したが、モバイル市場向け製品の製品構成変化や民生機器市場の低迷などにより、前期比7.2%減。モジュール・システム事業は、グローバル自動車生産回復に伴う自動車部品の需要増やシステム製品の新製品の寄与などにより、同15.2%増。センサー・コミュニケーション事業は、車載市場向けは増加したが、民生・モバイル市場向けが低迷し、同1.7%減となった。

 同社は、2024年度(25年3月期)を「経営構造改革期間」と位置付け、抜本的な経営構造改革を推進する。これにより、「25年度からの『第3次中期経営計画』でのV字回復につなげていく」(泉英男社長)方針。

 24年度の連結業績は減収ながら2桁の営業増益を見込む。また、ノンコア事業資産の売却として、保有するアルプス物流株式の一部売却等による特別利益計上により、今期の当期純利益は300億円を計画する。