2024.05.10 KDDIの3月期連結決算、注力領域のDXが伸長
KDDIの2024年3月期連結決算は増収減益となった。ミャンマーの通信事業のリース債券引当や低稼働通信設備の減損で1190億円の一時的影響が減益の要因。
この影響を除くと、楽天からのローミング(相互乗り入れ)収入減(411億円)を、DX(デジタルトランスフォーメーション)やエネルギーといった注力領域で補い実質では増益となった。
携帯電話は、マルチブランド通信ARPU(1契約当たりの平均売上高)収入は前期比50億円の増益となり、通信料値下げの影響から反転した。
注力領域のDXはAI需要を受けデータセンターが伸び同204億円の増益、エネルギー事業も同160億円の増益となった。
金融事業は40億円減益となったが、前期の一時的会計処理影響を除いた実質は142億円の増益。
一方、中期経営戦略で掲げた2025年3月期までに19年3月期比1.5倍のEPS(1株当たり純利益)の目標達成が困難な見通しとなったことから期間を1年延長する。高橋誠社長は「戦略をアップデートし26年3月期の達成に向けて全社挙げて取り組みたい」と語った。