2024.05.17 SCREENホールディングス、バリアブルフォント一般販売 京都市立芸大に無償提供
京都市立芸術大学で開催された感謝状贈呈式 (右から垣内SCREENホールディングス取締役会長、赤松京都市立芸術大学理事長)
SCREENホールディングスは、京都市立芸術大学向けに開発し、同大学に無償提供したオリジナルのバリアブル(可変)フォント「Hiragino Kyogei Terrace」を一般販売する。
同大学が23年10月に全面移転したのを機に、SCREENホールディングスでフォント事業を担当する子会社SCREENグラフィックソリューションズ(京都府久世郡久御山町)がデザインした。
同大学には新校舎での開校までに開発できたアルファベット、数字、記号を無償提供した。一般向けには開発中のひらがな、カタカナを加えて販売する予定。
通常のフォントのように太さ、幅、スタイルごとにフォントファイルを揃えなくても、2つのアウトライン値があれば、ひとつのフォントファイルで太さ、幅を可変してさまざまな書体のファイルを揃えることができ、幅広い用途を見込む。
SCREENは、これらのフォントの無償提供に加えて同大学移転記念のロゴマークもSCREENグラフィックソリューションズがデザインし、無償提供。同大学は新校舎内に新設した建物壁面の大学名、堀場信吉記念ホール、伊藤記念図書館、笠原記念アンサンブルホールの立体サインに用いた。
同大学で7日開催されたSCREENホールディングスへの感謝状贈呈式後の記者会見で、垣内永次SCREENホールディングス取締役会長は「中核事業の半導体製造装置は世界の多くの半導体メーカーに納入しているが、一般の人の眼に触れる機会はない。印刷関連事業は明治元年の祖業だ。90年頭から印刷のデジタル化が始まり、当社もオリジナルのデジタルフォントの開発に取り組み、93年にヒラギノフォントを世に出した。アップルのPC、iPhoneの日本語標準フォントに採用され世界に認められたヒラギノフォントなどを伝統ある京都芸術を基盤から支える京都芸大さまのさまざまな活動をご支援できれば光栄だ。フォントを無償提供するのは初めてだが、今後も産学連携を強化し、地元京都のさらなる発展に貢献していきたい」と述べた。
赤松玉女京都市立芸術大学理事長は「SCREENさまからフォントを無償提供いただき、真の学びに資することを期待している。京都企業やさまざまな業界、機関と連携しながら芸術の力で社会といっしょに未来の京都、世界を創っていきたい」と話した。(20日の電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)