2024.07.08 【記録計・データロガー特集】チノー クラウドでデータ一元管理 医薬品・食品業界などに訴求

展示会でクラウドによるデータ管理を訴求

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 チノーは、記録計のデータをクラウドで同期させるクラウドサービス「チノークラウド」を提供している。

 記録計は温度や湿度、圧力、流量などを測定するための各センサーをつなげ、多チャンネルで長時間のデータを集録するもの。記録計のデータをクラウドで同期させ、スマートフォンやタブレットなどの端末による一元管理、遠隔監視を提案する。同サービスでは記録したデータを最短1分で同期する。

 同サービスは2023年6月から提供しており、工場などの広い敷地に多数の記録計やセンサーなどが設置されるケースを想定する。

 現在、グラフィックレコーダー「KR-H」、Webレコーダー「SC5000」の2機種がクラウドに対応している。KR-Hシリーズはセンサーで熱電対・測温抵抗体、電流・電圧の信号が入力できる。調節計やサイリスター、PLC(シーケンサー)のデータはKR-Hシリーズ、SC5000シリーズともに通信で入力。各所の記録データを集約し、クラウドにアップする。

 今後は、無線ロガーをはじめクラウド対応機種を順次拡大していく方針だ。

 多数の記録計に長時間集録されるデータは膨大になるが、クラウドのストレージでは容量の心配はなく、また通信障害によるデータ欠損の心配もない。データの長期間保存、分析に対応できる。

 こうしたクラウドの特徴を踏まえ、大容量のストレージ、厳しい温度管理などが求められる業界でのサービス活用を想定。医療・医薬品、食品、物流などマーケットは多岐にわたる。医薬品は製造された時点から消費者に届くまで劣化は許されない。食品業界も調理工程や配送などで温度管理が求められる。

 また、脱炭素につながる消費電力の削減では電力監視が必要であり、熱中症を予防するための指標である暑さ指数の把握など、クラウドによるデータの一元管理が有効になる。

 同社はクラウドサービスを各種展示会で訴求しており、ストレージ容量の膨大化を踏まえてビジネスプランの検討も進めていく。