2024.07.18 【ケーブルコンベンション/ケーブル技術ショー特集】日本ケーブルラボ オールIP・有線・無線・サービス品質・新サービスを重点分野に

 日本ケーブルラボは、2024年度事業計画において「ケーブルテレビの再発明を目指して」というキーワードを出し、ケーブル事業を技術イノベーションによって発展させるため、「オールIP」「有線」「無線」「サービス品質」「新サービス」の五つを重点分野に定義。ケーブル事業に必要なさまざまな技術に関する調査研究を進めている。

 オールIPを中心に、横軸にインフラ技術軸(有線⇔オールIP⇔無線)、縦軸にサービス技術軸(新サービス⇔オールIP⇔サービス品質)を置くことで、これら技術分野間の連携性を明確化した。加えて、全ての分野に関連する技術として、あらゆるAI(人工知能)の活用を考慮していく。

 オールIPでは、映像サービスのIPによる放送・配信のみならず、テレビサービスの高度化、運用高度化、サービス間連携による付加価値創出など、IP技術は欠かすことができない。そうしたIP技術を駆使したあらゆるケーブルサービスを整理して提示する。オールIPを五つの重点分野の中核に据えて調査研究活動を推進する。

 有線では、インターネットによる映像サービスの普及や高精細化、テレワーク環境整備への対応など、ネットワークサービスの広帯域化への要望が高まっている。また、TVサービスにおいてもFTTHへの移行が進んでいる。FTTH導入を検討するに当たっては、1ギガ/10ギガbpsなどのサービス速度メニューにとどまらず、運用性や保守性、宅内も含めた施工の容易さなども重要な検討ポイントだ。

 無線では、ユーザー宅内での最後のアクセスとしてのWi-Fiやローカル5Gなどの無線が重要な技術である。ケーブル事業者にとって、高品質なTVサービスをはじめブロードバンドサービス、IoTサービスを無線インフラを介して提供する場合、回線の誤り制御、帯域管理など検討項目は多い。

 サービス品質では、サービス品質を維持・向上するためにはサービス運用、設備運用、セキュリティー運用、設備保全など多岐にわたる検討が必要となる。また、複雑化する設備の運用業務のコストダウンに向け、運用高度化技術も急速に進化している。サプライチェーンセキュリティー、ネットワーク分析、運用効率化を展開する。

 新サービスでは、有線・無線などの高品質なインフラに加えて、魅力的なサービス提供はケーブル事業者として欠かすことができない。TVサービス提供においては、ユーザーとの接点である宅内装置としてのSTBの高機能化やコンテンツ配信側での柔軟なサービス対応が望まれる。

 また、新しいメディアとしてのXR、地域密着のケーブルテレビならではのIoTなどについて、新サービス領域で検討を続けていく。