2024.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】東京エレクトロンデバイス ウエハー検査装置の販売を強化
徳重 社長
東京エレクトロンデバイス(TED)は、EC(半導体・電子デバイス)、CN(コンピューターシステム)、PB(自社ブランド、OEM)を主力に事業を展開している。徳重敦之社長・CEOは市況について「半導体は中国市場が停滞局面に入り、特に産業機器関連が減少した影響がある。調整期が続き、上期は底入れ期になる。ただ、生産を加速しているお客さまもあり、徐々に在庫の水準は適正化に向かっているという体感はある」と説明する。
EC事業では取扱商材を拡大、クラウドAI(人工知能)・エッジAIビジネスを強化、CN事業はセキュリティー関連を軸に順調に推移する。PB事業では昨年10月に日本エレクトロセンサリデバイス社からウエハー検査装置事業を譲受。その効果も踏まえ、市況回復期に向けて半導体のシリコンウエハー向け、パワー半導体に使われるSiCなどの化合物半導体ウエハー向け、両市場に向けて販売を強化していく。
ウエハー検査装置は自社ブランドであるため、エリアを考慮する必要がない。日本国内に加え、台湾、欧州の半導体ウエハーメーカーに拡販していく。
各種施策も進めている。6月にはコーポレートオフィサー制度を導入。CEO(最高経営責任者)を新設し、徳重社長が就任した。これにより、取締役会の経営監督の強化と迅速な意思決定が図られるだけでなく、責任を与えることで次世代の育成も見据える。
経営理念を新たに策定した。同社は東京エレクトロンの関連会社であるが、ビジネスモデルの違いを踏まえ、同社独自の理念となる。
10月中旬には本社を横浜から東京都渋谷区に移転し、本社・新宿オフィスを統合する。EC・CN・PBの各ビジネスの融合を加速し、シナジーの向上を図る。
現中期経営計画の先を見据え、新中計「VISION2030」(2026年3月期からの5年間)を策定した。徳重社長・CEOは「当社の歴史を踏まえ、メーカーと技術商社が並列するカルチャーに違和感はない。両方の力を合わせないと、解決できない社会課題が起こっている」と語り、メーカー化に一層注力していく。