2024.07.30 【家電流通総合特集】家電流通 24年後半の戦略 コスモス・ベリーズ 牧野達社長

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中・小型家電、即日出荷可能に

ヤマダの配送システムを活用

 家電商品とソリューションビジネスおよびリテールサービスを提供するコスモス・ベリーズでは3月から第20期が始動。前期から準備を整えてきた中・小型家電商品の即日出荷のシステムをリリースした。

 この即日出荷はヤマダウェブコムと当社の発注システム(BFC.Net)が連動したもの。メリットは①加盟店のお客宅へ直接配達が可能②発注後24時間以内に出荷が可能③24時間/365日発注が可能④家電商品だけでなく日用品などの非家電商品も対象-など。「離島」など配達可能なエリアも拡大した。加盟店から高評価を得ている。

 下期となる9月以降、大型家電商品の配達のシステムをリリースする予定だ。中・小型商品と同じく、いつでも、どこでもBFC.Netにログインすれば発注が可能で、納期が分かる利便性に加え、大型家電商品は重量物であるので、配達・設置に苦労している加盟店の社員の負担軽減、労働環境の改善につながる。

 ヤマダデンキのインフラである配送システムを活用することで別の営業活動が可能になり加盟店の生産性向上にもつながる。当社は加盟店の働き方改革、生産性の向上に貢献したい。

 また、配送システムを活用するためのBFC.Net、住設商品など当社の直取引先商品を扱うBFC.Netプラスが使いやすくなるよう改善中で、完成に向けて動いている。

 6月は、エアコンがけん引し、台数ベースで前年比128%となった。電気代が高騰し、北海道でも冷房エアコンが売れるほど年々暑さが増している。補助金などの後押しもあり、使用電力を安くできる省エネ型の上位機種への買い替えが増加。また、寝室など部屋ごとにも設置できるようにと低価格モデルの販売も好調に推移している。さらに、扇風機やサーキュレーター、400~500リットルの冷蔵庫も売れ筋となっている。

 夏から秋に重点的に販売する商品については、まずは調理家電。秋の味覚をおいしく調理できる。毎日食べるご飯はおいしいものを食べたいというニーズが高く、話題の商品、当社の定番商品を、販促媒体「おすすめチラシ」にも掲載し、売れる販促媒体としてPRしていく。

 今年度はヤマダHDが創業50周年を迎え、50周年記念モデル商品を多数展開している。エアコン、冷蔵庫、テレビの大型商品や掃除機、オーブンレンジ、パソコン、ワイヤレスイヤホンなど。

 また、当社が独自で取り扱う住設商品数も充実してきた。リフォーム市場は現在7兆円に達しており、年々成長し今後も拡大していくと予測されている。環境意識が高まり、エネルギー効率の高い商品に入れ替えるリフォームが増え、多くのユーザーが補助金制度を活用している。

 当社ではその需要を加盟店の商売に取り込めるよう、商品の定番品や商材を大幅に強化した。

 そして、地域電気店(メーカー系列店)の重要な販促手段である合同展示会を、ヤマダデンキの店舗で実現する「テックランド特招会」を促進し、拡大を目指す。テックランドの展示商品を加盟店が招待したお客に、見て・さわって・体感してもらえるため、店舗をショールームとして活用できる。これまでの活用事例が多くあるので、ぜひ問い合わせてほしいと考えている。

 SDGsの取り組みはさまざまあるが、循環型社会の構築もその一つだ。リサイクル・リユースの仕組みを構築し、チェーン全体(加盟店のお客を含む)の廃棄物などの減量化と再資源化に取り組む方針としている。

 そこで、ぜひ紹介したいのがヤマダデンキの「買取事前査定サービス」。商品の情報を入力すれば買い取り金額がつき、お客宅への回収はヤマダデンキに任せられる。古物商の資格があれば、いったんお客から買い取り、査定サービスを利用すれば売り上げにつながり、お客もリサイクル料が不要となる。

 今後は、ヤマダデンキのリユース商品を当社の加盟店が取り扱い可能になる計画が進んでいる。

 最後に、今期新たに導入したのが「賛助会員制度」。当社の正会員は地域に密着した小売りの事業者だが、賛助会員は正会員の困りごとを解決または支援する事業者で、正会員と賛助会員のマッチングを構築していく。

 さらに、一般のお客から「自宅周辺で困りごとを解決できる加盟店がないか」という問い合わせもあり、簡単に検索できるようにホームページを更新していく。

 9月以降、エリア交流会や勉強会を盛んに開催する予定で、賛助会員にも参加してもらい、加盟店同士、加盟店と本部のつながりを強化していく。