2024.09.13 【抵抗器特集】東京コスモス電機 可変抵抗器など車載や産業機器向けに注力

 東京コスモス電機は、長年培ってきた可変抵抗器技術をベースに、新たな技術・製品の開発に力を入れている。①可変抵抗器②角度センサー③ヒーター-の3事業を強化し、産業界の発展と成長に貢献する。

 3事業とも車載と産業機器向けが主な用途。角度センサーは、ICを使用する非接触タイプと可変抵抗の構造を応用した接触タイプをそろえる。非接触タイプは半導体不足の影響で一時供給に影響が出ていたが、現在は解消。IC調達のめどがつき、着実に受注を伸ばしている。

 可変抵抗器事業は、車載、産業機器向けともに堅調。電動スクーターやLED電源用途など、用途は多岐にわたり、今後も安定的な伸びを見込んでいる。

 ヒーター事業は、ADASや自動運転を支えるLiDAR向けに、電波を阻害する氷雪を除去するヒーター機能付きレドームを開発するなどし、売り上げを伸ばしてきた。

 同社は昨年、コア技術であるPTC材料の特性を大幅に改善した新材料「SW-PTC」を開発し、米国化学学会で発表した。PTC材料は、その材料に通電することで外部環境温度にかかわらず、制御回路なしでも特定の温度を維持するヒーターとして活用できる。この特性を生かし、新たな製品開発に取り組んでいる。

 現在、開発に取り組んでいるのが耐久性を高め、より高温対応できる製品。従来の170度から200度対応を目指し、開発を進めている。寒冷地におけるエンジン動作補助に使用できる製品など、新たな用途を提案。車載分野以外の用途開拓にも取り組んでいく。