2024.09.24 【九州・山口産業特集】九州計測器 半導体関連で大型クリーンルーム伸びる

福岡県水素グリーン戦略会議で展示

 計測器商社の九州計測器(福岡市博多区)では、大学や専門学校、短期大学など、半導体業界で活躍できる学生の育成へカリキュラムを新たに立ち上げていく際、半導体の工場に近い環境を整えるような仕事が増えているという。

 熊本でやっているようなことを別の大学で参考にといった、見学会や人のつながりを案内することも。ここ2年ほどは継続して大型のクリーンルームが伸びている。

 半導体の前工程や製造工場では計測器を使う機会は少ないが、クリーンルームに入れるパッケージなどを組み立てる際や、工場内で使う消耗品などもクリーンな環境が必要。これらに関連した設備の導入などは、「半導体に関わる分野で、われわれがお手伝いできる一つ」と岩倉弘隆社長は話す。

 また、半導体製造会社の周辺ではさまざまなものづくりの企業が進出し、その中で計測器の採用は始まっている。最近は大学発のベンチャーなどにも採用されている。

 同社は自社製品で実環境空間表現ソフトウエア「Space Sight」、四国総合研究所とのコラボで「水素火炎可視化のウェアラブル計測」などを開発しているほか、大学などとの研究支援も積極的に行っている。熊本大学のパルスパワーの研究室も同じ研究会という縁で協力している。

 見る、測るといった計測の部分では「省人化に向けてお役に立てるのでは」と岩倉社長はみる。省人化というテーマでは、エネルギー関連で経年変化の非常に微小な部分の計測など、人の手で測らなければいけないようなものを自動化する装置の開発も手掛ける。

 中期ビジョンに掲げる中の一つで、アフターサービス、アフターフォローに手厚い九州計測器を目指そうと、セミナーやお買い得情報、新技術の紹介など、メールマガジンで定期的に発信している。電子計測器の校正、キャリブレーションはこれからもまだまだ需要があるとみられ、アフターフォローとしての一つに校正も含まれるのではとしている。