2024.10.23 Z世代狙う「ビジュ家電」 映え・ときめき重視 エディオンが自社ブランドで展開

調理家電と暖房はインテリアでも〝ビジュ〟が良いデザイン

Z世代を取り込みたいという池田氏(左)と木村氏(23日、横浜市西区)Z世代を取り込みたいという池田氏(左)と木村氏(23日、横浜市西区)

 エディオンは、独自に企画開発するプライベートブランド「e angle(イーアングル)」でZ世代に向けた新シリーズ「カラーデザインシリーズ」を本格展開する。8月から調理家電を発売し、新たに暖房家電も投入する。新シリーズは、若者層の消費モデル分析から「映え」や「ときめき」につながるカラーとデザインを採用し、若者層の開拓を狙っている。

 カラーデザインシリーズは、Z世代が「映え」に代わる新たな言葉として使っている「ビジュ(ビジュアルの略)」に焦点を当て「ビジュ家電」として展開する。Z世代の多くが機能や性能以上に、共有したくなる見た目が購入のきっかけになっていることに着目。「製品を部屋に置くだけで自撮りの映り込みもよくなるカラーとデザインにした」(商品開発部・木村健吾アシスタントマネージャー)という。

 26日からシリーズ第2弾として、カーボンヒーターとセラミックヒーターの2種を発売する。本体カラーは彩度が低く薄めの色合いの「くすみカラー」を採用。ベージュ系の「モカホワイト」、ピンク系の「ピンクベージュ」、青系の「ティール」の3色で展開していく。「暖房家電はモノクロが多いためビジュがいいヒーターを開発した」(木村氏)。

 カーボンヒーターは軽い上、ダイヤル式で操作も簡単。小型で持ち運びしやすいほか、コードを本体後ろに引っ掛けて収納できる。

 セラミックヒーターは、同社の暖房機の中で台数構成が高いことから製品化した。強、弱、送風の3段階の切り替え操作で、上下の風向調整もできる。コードは専用バンドで本体裏に収納可能。新シリーズは商品パッケージも各カラーに合わせてデザインしている。

 8月30日から発売している第1弾の調理家電はオーブントースターとグリル鍋、タンブラーミキサーの3種。いずれも丸みのあるデザインでダイヤルや取っ手などはゴールドでそろえている。

 新シリーズ開発の背景には、エディオンの購入層の多くが中高年になり、若者層の取り込みが課題になっていたことがある。生活雑貨店でオリジナル家電を発売するケースも増え、若者層が雑貨店に分散していると分析。商品開発部の池田幸弘部長は「新シリーズはZ世代をターゲットにすることで新規顧客を取り込んでいく」と力を込める。

 新シリーズの調理家電3種の販売は順調で、20代の購入構成比が6.3%から13.1%に増加した。