2020.06.22 【九州・山口版】有力IT企業の取り組み エフェクト

開放的な第二オフィス

光安 社長光安 社長

自社開発へさらに注力

 ソフトウエアからネットワーク、ハードまで一貫してIoTソリューションを展開するエフェクト(福岡市博多区、光安淳社長)はオフィスを拡張し、ロボット、AI(人工知能)など、自社で手がける新規事業に取り組んでいる。

 同社は12年の設立以来、営業黒字を継続し、人員も増強を続けている。設立当初に比べて34人と2倍以上に増え、手狭になってきたことから、このほど第二オフィスを新設した。これまで入居しているビルの8階に決定したのは3月末で、6月1日から稼働している。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、光安社長は「地価の下落を待つ選択肢もあったが、開発環境の改善を優先した。作業密度を減らすことが、コロナ対策だけでなく従業員の作業効率向上にもつながる上、市場の動きにフレキシブルに対応し、機会損失をなくせる」と早期に着手した。

 以前からのオフィスは5階にあり、115平方メートル。8階の第二オフィスは95平方メートルとやや小さいが、オープンなレイアウトで広く感じられる。企業からの受託などセキュリティを重視する仕事は5階で、AIやドローン、ロボットなど自社案件は8階で行っている。

 同社の事業に対して新型コロナの影響はほとんどなかったが、今後、発注側企業への影響を懸念する。

 緊急事態宣言は解除されたが、企業への派遣よりも受託や自社開発を増やし、社内での仕事の比率を高めたいという。

 自社で開発してきた飲酒運転防止IoTシステム「Rコールシステム」と「自動制御ドローンによるイチゴ農園向け病気・収穫時期自動検知システム」は、「福岡県IoT認定製品」に選定され、認知度も向上している。

 自社開発のシステムはまだ売上比率としては小さいが、大手企業とのプロジェクト協業や実証実験など、広がりを見せている。新しい案件も増え、来期に向けて第二オフィスで次への取り組みを進めている。