2024.11.15 【5G関連部品特集】ケル 各種コネクター開発を強化 次世代の高速伝送要求に対応
HFシリーズ(左)とHSPシリーズ
ケルは、次世代の高速伝送要求に対応するコネクター開発を強化している。5Gの普及拡大やAI(人工知能)サーバー/データセンター(DC)の高性能化などに照準を合わせた技術開発を進めている。
同社は、高速伝送対応製品として、PCI Express Gen4CEMスペック対応の56ギガbps(NRZ)BtoBコネクター「HFシリーズ」や、224ギガbps(PAM4)差動伝送ケーブル用コネクター「HSPシリーズ」の開発を進めている。両シリーズともに試作品を開発し、サンプル展開を開始している。
HFシリーズは、56ギガbps(NRZ)および64ギガbps(PAM4)対応の0.5ミリピッチ高速伝送フローティングBtoBコネクター。64ギガbps(PAM4)の高速差動伝送が可能。PCI Express GEN4 CEMスペックをクリア。56ギガbpsの高速伝送とフローティング構造(フローティング量プラスマイナス0.4ミリメートル)を両立させた。
差動伝送に特化したGGSS配列のコンタクト形状を採用。スタック高さ3ミリメートル。極数は40極~140極。使用温度範囲マイナス40~プラス105度。フローティング構造により位置ずれを吸収できる。高性能化が進むDC/サーバーやハイエンド基地局市場向けに提案する。
HSPシリーズは、224ギガbps(PAM4)差動伝送ケーブル用コネクター。適合ケーブルはAWG30。信号は8ペア、差動インピーダンス100Ω。次世代の伝送装置やハイエンド基地局などの用途向けに提案する。
このほか、PCIe5.0相当の高速通信対応基板対基板コネクター「JBシリーズ」の開発も進めている。自動車の統合ECU向けに開発を進めている製品で、32ギガbps相当の高速通信に対応、最大80Aの電源を供給できる。
将来的には、光電融合などに対応する高速伝送製品の開発も進める方針。
同社は産業用コネクターを中心とした電子部品メーカーで、ハーネスやラックなども展開している。