2024.12.13 【EMS特集】ウイルテック 新工場の建設で生産能力を強化
電子機器受託製造のEMS事業を国内展開
ウイルテック(大阪市淀川区)の設立は1992年。主に製造請負や製造派遣事業、機電系エンジニアの派遣といったマニュファクチャリングサポート事業を展開する。製造部門で培った人材派遣のノウハウを生かし、建設やITの分野でエンジニアの派遣などで企業のニーズに合わせたサポートを行うほか、今後の成長分野としてものづくりの現場での経験を元に、グループ連携による電子機器受託製造のEMS事業に注力する。
新型コロナウイルスの収束や地政学上のリスクから製造拠点の国内回帰が起こっており、そのような市場環境の中で、半導体関連企業や大手企業は助成金などを活用した大きな設備投資を計画しているが、中堅・中小企業は自社での積極的な設備投資まで踏み込めていない実情がある。生産システムの構築に加え、労働環境についても対策が必要で、時間がかかる事案だ。
そのような中で、ウイルテックは、多くのメーカーは自社製造する品目と外部に製造委託する品目とで選択と集中が検討されるとみる。
外部への製造委託ニーズの受け皿として、EMS事業はリーマンショックやコロナ禍を経て社会のマインドが変化した今のタイミングならば、提案を受け入れてもらいやすいのではないかと判断し、事業に注力するとした。
現在、グループ会社のデバイス販売テクノが福島県須賀川市に半導体装置用のプリント基板や工作機械の制御部品などを生産する新工場の建設に着手し、生産能力を強化する。2025年5月に竣工(しゅんこう)予定で、新規顧客の開拓を進めていく。
また、生産管理や品質保証といったメーカー機能としてのシナジーを期待して23年12月には照明器具メーカーのホタルクスをグループに迎えた。国際的な取り決めによって27年末に生産が終了となる蛍光ランプを製造する滋賀工場(滋賀県甲賀市)の施設利活用を視野に、大手メーカーなどに向け提案を始めている。