2025.01.08 【製造技術総合特集】主要各社の25年戦略 メイショウ

川杉 社長

リワークの高品質・自動化追求

 メイショウ(東京都杉並区)は、SMT工程のトータルソリューションを提供する商社兼メーカー。昨年、創業60周年を迎えた。

 川杉敦子社長は50周年の年にトップに就任した。「60年をかけた取引先との信頼は財産。伝統を大切にしながら、今の時代に求められる企業に進化し始めたのがこの10年」と振り返る。

 リワーク装置の開発では高品質、自動化を追求してきた。昨年3月に大型基板対応の「MS9000XL」を発売。ユースケースとしてデータセンター(DC)や基地局用の大型基板を想定しており、重量のある基板のリワーク需要を取り込む。高精度な残留はんだの自動クリーニング機能も導入した。

検査装置と連携

 画期的なのが外観検査装置との連携を構築したこと。AMR(自律走行搬送ロボット)を用いて検査とリワークの両装置間のラック搬送を自動化する。

 ラック上のNG部品の位置・撮像データをリワーク装置に転送し、自動判別運転のリワーク作業を実現。リワーク後のデータを検査装置にフィードバックすることで情報を一元管理し、製品出荷後の品質を担保する仕組みを構築した。

 販売台数の向上は課題の一つ。同社のリワーク装置は高スペックなため、価格で敬遠されることがある。スペックを抑え、ボリュームゾーンを狙える新製品を3月に投入する。中国リワーク装置メーカーと連携して開発したリワーク装置で、東南アジア、東欧、日本で販売していく。

 昨年6月には高品質なBGAリボール受託のためにラインを設置した。今後、リボール作業のフル自動化を目指す。

 川杉社長は「不良品修復というマイナスのイメージがあり、リワークは〝不遇な装置〟だった。今はターニングポイント。業界でのポジションが明らかに変わった感覚がある。部品・基板再利用のための装置になっている」と指摘する。DCや量子コンピューターの基板には設計変更が必須であり、リワーク装置の活躍の場が用意されている。

 川杉社長は「まいた種から双葉が出てきたところ。しっかりと花を咲かせたい」と、今年の抱負を述べた。