2025.01.17 【情報通信総合特集】情報サービス トップに聞く 25年の見通し・経営戦略 サンテレホン 鈴木健一社長
ソリューション力強化
AI活用し業務効率を向上
2024年のICTの市場環境は、オフィス系も順調に推移し、工場関連や公共、病院、福祉もDX化が進むなど好調だった。半導体やデータセンター(DC)関連も需要が拡大した。25年度も同様に推移するとみている。
当社は、24年度から新中計「2026」をスタートしている。24年度は、同計画の初年度になる。ほぼ計画通り増収増益で推移しており、過去最高業績だった23年度を上回る見込みだ。
引き続き半導体やDC関連が大きく伸びているが、注力しているソリューション分野が好調だ。音響、映像などのAVソリューション、入退室管理などのフィジカルセキュリティーなどが好調に推移している。
ネットワークカメラは、引き続き好調で2桁伸長している。監視目的だけでなく、ビッグデータとして活用するなど用途が増えており、今後も高い伸びが期待される。入退室関連、製造現場、商業施設などでの需要が拡大している。
また、新規事業では、環境・防災関連など強化している。避雷針による雷保護システムは、前年比で2、3割増と好調だ。再生エネルギー分野では、蓄電池関連の需要が拡大している。
ソリューションでは、ソーシングソリューション、テクノロジーソリューション、プロダクトプロデュースソリューション、ロジスティックスソリューション、統合プラットフォームソリューション、の五つのソリューションに注力している。
新中計では、三つの柱を打ち出している。その一つがソリューション力の強化だ。専任部隊の編成など人材面も含め、新しいテクノロジーを使ったソリューション開発、提供に力を入れる。二つめが社員一人一人の生産性向上や業務のシステム化。業務効率を上げるため、AIの活用なども行っていく。また、刷新した基幹システムとお客さまとのEDI連携による受発注の自動化など効率化を加速させる。三つめが人材への投資や働きやすい職場環境づくり。資格取得支援なども積極的に行っていく。
海外事業は、ベトナム、タイを拠点にASEANビジネスを強化している。ベトナムでは、商業施設への監視カメラの導入など実績が上がってきた。また、海外からの商材調達にも力を入れる。
新中計では、年率2桁の成長を目指している。30年度に売上高1000億円を実現するための足掛かりと位置づけている。このため、人材への投資も積極的に行い、教育プログラムなども整備する。また、一段の効率経営を進めていく。
エンゲージメント経営に力を入れ、社員が会社の成長を自分事として考えられる企業を目指す。持続可能な成長に向け、サステナビリティー経営を推進していく。