2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 カナデン 本橋伸幸社長
本橋 社長
中国やASEANで日系顧客支援
カナデンは工場自動化(FA)システム、情通・デバイス、ビル設備、インフラの4事業を柱に国内のほか中国、東南アジア、インドで日系企業向けを中心に事業展開する。
情通・デバイスについて、本橋伸幸社長は「在庫調整が適正化しつつあり発注は戻ってきている」と改善を見通す。
中国市場はまだ力強さを感じられないがスマートフォン向けは回復基調にある。同国の半導体国産化の動きも注視する。
FAシステムは顧客の在庫調整が続いたが今後平準化を期待する。注目する金属3Dプリンターはこれからの需要の伸びを見込む。
ビル設備は各地のデータセンター向け電源設備が堅調と見込む。空調・冷熱は冷凍倉庫の新設・更新需要も期待する。
インフラは鉄道事業者の設備投資が回復基調にあり受配電設備、無線関連の受注が好調。駅ナカなど多角経営の需要も取り込む。
クロスセルを手掛けるソリューション営業部はFA中心に太陽光発電など従来声のかからなかった商材で実績を築く。製品サイトの商材も合わせて提案し新需要を喚起する。
インサイドセールスは補助金活用支援サービスが加工機を中心に売り上げを獲得した。同分野は社内で育成したDX(デジタルトランスフォーメーション)人材の活躍も目立ち、他社に先行する取り組みとして伸ばしていく。
海外は中国で引き続き日系顧客の事業を支える一方、ASEANではタイのソリューション事業に注力。FAと空調設備を拡大する。
ベトナムでもソリューション事業を伸ばす考え。中国から工場を移転する日系顧客も取り込む。
インドで1月に現地法人を設立。モノのインターネット(IoT)、自動化などソリューション関連のシステム販売、FA、電子デバイス、ソフトウエア販売を手掛ける。
社内の体制面では2024年に基幹システムの刷新を終えた。本橋社長は25年を「中期経営計画の最終年度は、今年度同様やるべきことを着実に進める」と計画達成の抱負を示す。