2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 オーエスエレクトロニクス 東海林尊信社長

東海林 社長

パワー系商材やセンサーに重点

 オーエスエレクトロニクスは1963年創立。米半導体大手オンセミの正規代理店として事業を拡大する。

 日本、中国、台湾、米国などの半導体を扱い、台湾、シンガポール、香港、中国、インド、米国に拠点を構える。

 東海林尊信社長は2024年度を数値面で計画通りとしつつ「メモリー価格が値上がりし、人工知能(AI)サーバー向けが伸びた一方、アナログデバイスはマイナス」と振り返った。

 パワー系商材のうち中国向け産業機器用途は現地メーカーの台頭で低級機の需要が25年以降も戻らない可能性を織り込む。長期的には電気自動車(EV)化が追い風と読み、窒化ガリウム(GaN)製品普及も見据え取り組む。

 メモリーはパソコン基本ソフト「ウィンドウズ10」サポート終了による法人の更新需要をみる。

 センサーはオンセミ製CMOSに米エヌビディアのAI向け製品を組み合わせたカメラモジュールを投入。組み込みメーカーである台湾イノディスク子会社の筐体(きょうたい)にモジュールを納めた製品も扱う。

 24年2月に新会社オーエスエレクトロデバイセズを設立した。既存事業と業務隔壁を築きラインカードを広げる。

 海外展開はインドに注力。eバイクを足がかりに4輪EVを開拓し、パナソニック製リレーを主軸に産業機器の需要も狙う。

 24年8月に米国ミシガン州にオーエスエレクトロニクス・アメリカを設立した。手付かずだった現地日系顧客へ営業する。日系企業の世界展開に応じた「欧州進出も視野に入れる」と東海林社長は語る。

 米新政権については為替への影響を注視。米中問題による規制は厳格化すると予測し、顧客の中国市場向け製品には中国製部品を、ほかの市場向け製品には非中国製部品を供給する施策をとる。

 人材育成にも注力し、階層別研修やコーチングを25年度から強化する方針。

 東海林社長は25年度について「26、27、28年度に向けた拡販を強化していく」とし、パワー系商材に加えセンサーにも重点を置く。