2025.01.21 【半導体/エレクトロニクス商社特集】エレクトロニクス商社 25年の経営戦略 丸文 飯野亨社長
飯野 社長
デバイス事業でラインカード増
丸文は国内外で3000社超の顧客、800社超の仕入れ先を持ち、蓄積した情報や知見を基にデバイス、システム、ソリューションの3事業を展開している。
半導体市場は調整局面が続いているが、飯野亨社長は「次世代のパワーデバイスやイメージセンサー、実装設備などの引き合いは活発。いつ受注に結び付くかを注視している」と語る。そうした顧客動向を踏まえ、基盤強化事業であるデバイス事業では、ラインカードを増やす方針だ。
システム事業は、成長けん引事業の位置付け。既存ビジネスに加え、新規領域・市場での収益基盤の拡大を図る。航空宇宙関連で地上局用の機材、試験機材の引き合いが増加しており、受注に結び付いている。ソリューション事業は、価値創造事業として立ち上げた。パートナーとの資本・業務提携やライセンスビジネス、サブスクといった新たな販売手法も活用する。
昨年10月にはSBIインベストメントが運営する通称「SBIデジタルスペースファンド」に出資した。飯野社長は「このファンドはロボティクスやAI(人工知能)、ビッグデータ、ヘルスケアといった、当社が事業を通じて社会貢献を果たしたい領域をテーマとしている。有望なスタートアップを発掘し、協業していきたい」と話す。
海外戦略では、日系企業、中国ローカル企業の東南アジアシフトをフォロー。インド市場の動向も注視する。グローバル展開では、環境配慮をはじめ社会課題解決を一層訴求する。EV(電気自動車)産業が活発なインドネシアでは電気使用量を削減するレーザー加工装置を提案していく。
自動車関連では車両の軽量化が重要なテーマだ。樹脂化の流れを踏まえ、CO2削減が見込め、接合強度が高い大気圧プラズマユニットを提案。中国や東南アジア、メキシコで展開を進めている。
2025年度は新中期経営計画(3カ年)がスタートする。飯野社長は「最先端技術とソリューション開発を通じた社会課題の解決がポイント。ソリューションプロバイダーの役割を従来以上にしっかりと担う」と抱負を述べた。