2025.01.30 【電波新聞社 全国地域店アンケート】災害対策

店内には今後配達するLED照明が置いてあった店内には今後配達するLED照明が置いてあった

7割が地震対策を顧客に提案

 電波新聞社は、災害対策に関するアンケートを行い地域電器店60店から回答を得た。自宅の地震対策や顧客への防災商品の提案に取り組む地域店は7割を超えた。一方、店舗の地震対策を行っている地域店は5割にとどまっている。今月は能登半島地震から1年、阪神・淡路大震災から30年という節目を迎えた。改めて災害対策について考える年となりそうだ。

店舗を地震から守る対策 52%

 Q1では、地震から身を守るために普段から対策を行っているかを聞いた。70%が「はい」、17%が「いいえ」、13%が「どちらともいえない」と回答した。能登半島地震直後の2024年1月に実施したアンケートと大きく変化はなかった。

 Q1で「はい」と答えた店が具体的に行っている対策(Q2)としては、食料・飲料の備蓄が26店と最多となった。次いで非常用電源の設置・保有、防災バッグの準備、家電や家具の固定が各22店となった。

 非常用電源としてポータブル電源(16店)や太陽光発電(12店)を設置している店が多かった(Q3)。蓄電池を設置している店も6店ある。

 一方、対策を行っていない理由(Q4)としては危機感が不足していることを挙げた店が多かった。背景には「高台に位置しているので意識が薄い」(大阪府の地域店)といった地域的な事情もありそうだ。

 「防災バッグなどは持っているが期限などの管理ができていない」「水と食料の備蓄が1週間程度はあるが、2週間分はできていない」と対策はしているものの不十分と感じている店もある。

 店舗を地震から守るための対策をしているかを聞いたQ5では「はい」が52%、「いいえ」が33%、「どちらともいえない」が15%となった。昨年に比べ、「はい」と答えた店が微増し、半数を超えた。ただ、自宅に比べ、対策ができていない店も多い。被災後、できるだけ早く営業を再開するためにも対策が必要となる。

家電の固定、震撼ブレーカーなど推進

 具体的な対策(Q6)としては、前回と同様に保険への加入が最も多く22店となった。非常用電源の設置・保有は15店、店舗への耐震・免震・制震構造の採用は10店が行っている。顧客データのバックアップ(8店)や店舗用防災グッズの常備(7店)、店舗周辺の避難所や避難経路の把握(6店)に取り組む店もある。

 非常用電源としては、太陽光発電を10店、ポータブル電源を9店が設置・保有している(Q7)。社長が防災士の資格を持っているという店もあった。

 Q9では、対策をしていない理由を聞いた。危機感不足に加え「何をすればよいのか分からない」「店舗兼自宅なので災害保険に入っているが十分か分からない」といった不安の声があった。「自宅のみで店まで考えていなかったのでこれから対策する」と回答した店もあった。

 Q10では、地震対策として顧客に提案していることがあるか尋ねた。「はい」が73%と7割を超える店が提案をしている。

 具体的な提案(Q11)としては、懐中電灯やランタンの保有(33店)、乾電池の備蓄(21店)、ラジオの保有(21店)など手軽に取り組めるものが多かった。

 販売した家電の固定(14店)や感震ブレーカーの提案に取り組む店もある。津波避難ビルへの移動という商品提案の枠を超えた取り組みで顧客を守ろうとする店もある。

 地震対策として取り組みたいこととしては、太陽光発電や蓄電池などの非常用電源や感震ブレーカーの提案などを強化したいという回答が多かった。食料品や乾電池の備蓄、展示物の固定、店舗への蓄電池の設置の検討といった自宅や店舗への対策を進めようとする店もある。