2025.02.04 【コネクター特集】ケル フローティングなどキーワード、新製品開発・拡充に力

 ケルは、コネクター事業では①フローティング②高速伝送③圧着などをキーワードとした新製品開発に力を入れる。今後も中期経営計画に基づき、高速伝送対応多極コネクターや防水圧着コネクターなどの新製品開発やバリエーション拡充を推進する。

 注力市場を、以前からの4市場(工業機器、画像機器、車載機器、医療機器)に「5G・通信」を加えた5市場とするとともに、新エネルギー市場向けの展開にも力を注ぐ。

 ロボット/製造装置の内部配線用に、2.1ミリピッチ圧着用コネクター「FKシリーズ」を開発。4月から販売する。マニピュレーターをはじめ、ロボット、マウンターなどのアプリケーションに適した分岐中継圧着ケーブル用コネクターだ。

 複数箇所に分岐しながら接続を行う方式(マルチドロップ方式)に対応した製品で、省配線化に貢献する。電流分岐が可能な構造になっており、部分的な取り外しができるためメンテナンスも容易。嵌合部に凹凸が出ない平面構造で、他配線への接触や引っ掛かりを回避する。

 極細同軸ケーブル用コネクターでは0.4ミリピッチ フルシールド設計 極細同軸ケーブル用コネクター「ASLS EMシリーズ」を開発中。嵌合部分から実装部分まで端子を全てシールドで覆うことで、電磁妨害波に対するイミュニティー性能を向上させており、高速信号路の信号品質向上に貢献する。

 シールドシェルは嵌合時に基板への多点グランディングとコネクターの信号伝送部を覆うフルシールド設計により、イントラシステムEMC問題や筐体(きょうたい)内輻射(ふくしゃ)への対策を施した。放送局用カメラなどをターゲットに拡販する。