2025.03.14 【スイッチ特集】オータックス DIPスイッチの生産を強化 製品リニューアル推進

KPZシリーズ

 オータックスは、1976年創業の産業用スイッチメーカー。

 DIP(デュアル・インライン・パッケージ)スイッチにおいては、生産能力の向上を図っており、月産1800万個を超える。トップ水準の生産量で、業界をリードし、「DIPスイッチのオータックス」としての評価を確立している。

 DIPスイッチの操作方式では、スライド、ピアノ、ロータリーの各方式、またフルピッチ、ハーフピッチ、シングルラインタイプのSIPスイッチなど、1500品種以上の豊富な品種を誇る。

 DIPスイッチでは、製品のリニューアルを積極的に進めている。ピアノタイプのDIPスイッチでは、リニューアル商品「KPZシリーズ」の一部の商品を2024年12月に販売開始した。KPZシリーズは、寸法は従来のKSPシリーズと同等ながら、「耐久性、操作性の向上」および「自動化量産対応に向け部品形状・構成の再検討による品質向上」を図った商品。

 操作スイッチでは、Nシリーズのリニューアル商品を開発中。半自動機による生産が行える構造とし、25年末の販売を目指す。

 スナップインロッカースイッチ「VZシリーズ」は、はんだ端子、PC端子、タブ端子のラインアップが拡充され、好評を博している。

 同シリーズは、組み立て、検査の自動化や品質向上を考慮し、徹底的に部品形状・構成を検討し、従来のスナップインロッカースイッチ「Vシリーズ」と寸法は同等で、ON-OFF時の良好な操作感触を有し、防じん性能の向上により、粉じんのかかる厳しい環境での使用が可能となった。

 同社は、事業承継による品ぞろえの拡充も実行している。松久(東京都葛飾区)から事業承継したDIPスイッチの販売を24年6月から開始した。その中で、DPSシリーズは、防水のための樹脂ポッティングに対応できる高背のピアノタイプである。

 また、佐鳥電機から事業承継した電動工具用のトリガースイッチの販売を24年9月から開始している。

 同社は、リニューアル、事業承継で品ぞろえを拡充し、QCDを向上しながら一層の顧客満足度向上を目指している。

 同社のマザー工場である中国・深圳工場(広東省深圳市)は、25年8月に創立30周年を迎える。