2025.03.26 図研、IBMの研究機関に参画 3D ICの設計環境を提供、AI半導体の共同研究へ
IBMリサーチが運営するAIハードウエア・センター
半導体のパッケージングやプリント配線板(PCB)設計用のEDA(電子設計自動化)ツールを手掛ける図研が、米IBM主導の研究開発プロジェクトに参画する契約を結んだ。IBMの研究機関では、材料やチップからソフトウエアやスタックまで、AI(人工知能)システムの構築に必要な研究を一貫して手掛ける。図研は自社の強みを生かし、半導体分野にかかわる。
図研が参画するのは、IBMと同社の基礎研究を担うIBMリサーチが運営する研究開発コンソーシアムの一つ「AIハードウエア・センター」(ニューヨーク州)のプロジェクト。同センターは、システム開発だけでなく、AI処理に使うチップの開発にも取り組んでいる。
主にチップを3次元方向に積層し構築する「3D IC(3次元集積回路)」のパッケージ設計やEDAの高度化に関する研究をIBMと共同で進める。
同センターでは、AI関連分野の演算を行う「ディープラーニング・アクセラレーター・コア」に注目している。図研は、その研究に必要な設計環境も提供する。同社はPCBの設計ツールで知られているが、主力の製品「CR-8000」は半導体のパッケージング設計にも展開できる。3D ICの研究では、PCBとパッケージングの協調設計に関する知見が生かせる。
図研は、今回の参画を足掛かりに、半導体分野の企業同士が協力するエコシステムに参入。設計プロセスの技術革新を後押しする。