2025.04.15 電力需給「調整役」を有効活用 日本気象協会が蓄電池制御支援サービス提供

系統用蓄電池事業者向けサービスのイメージ(提供=日本気象協会)

エリアプライスの予測結果のサンプル(提供=日本気象協会)エリアプライスの予測結果のサンプル(提供=日本気象協会)

 日本気象協会は、系統用蓄電池を運用する事業者を対象に蓄電池制御支援サービスの提供を始めた。電力取引価格や電力需要の予測データを30分ごとにオンラインで提供する。蓄電池の有効活用を支援し、再生可能エネルギーなどの分散型電源の効率的な利用と電力の安定供給につなげたい考えだ。

 系統用蓄電池は、電力系統に接続して電気を蓄え必要な時に取り出す設備。脱炭素化という潮流を背景に発電量が変動する太陽光発電や風力発電といった再エネの導入が進む中、電力需給の調整役を担う蓄電池の役割が増している。

 こうした動きを踏まえて用意したのが、今回のサービスだ。具体的には、系統用蓄電池の最適な制御に役立つ予測データを事業者に送り、蓄電池の充放電計画や電力市場への入札計画を最適化できるようにする。

 さらに顧客の設備規模や利用目的に応じ、エネルギー分野の気象予測に精通した専門コンサルタントがサポートすることも売り。コンサルタントが太陽光発電設備や蓄電池の稼働データを基に分析し、各種予測データの最適な組み合わせと活用法を提案する。

 予測データは、エネルギーマネジメント事業者による蓄電池充放電システムの設計に生かすことも想定。工場や商業施設などで使う産業用蓄電池や家庭用蓄電池に活用することも視野に入れている。

 既に同協会は、再エネ発電事業者や電力の需給バランスを調整するアグリゲーターを対象に、電力需要や太陽光発電の出力などを予測する多様なサービスを用意。例えば、独自の気象予測データと人工知能(AI)による解析技術を組み合わせ、電力取引価格を予測している。