2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】たけびし グローバル・メディカル・オリジナルなど4成長戦略を進化
たけびしは、創立100年となる2027年3月期が最終となる中期経営計画「T-Link 1369」で売上高1300億円を目標に掲げた。その中で四つの成長戦略に加えビジネスの変革を目指している。岡垣浩志社長は「新しいビジネスに挑戦しないと後退する。トータルソリューションを強みに取り組む」と話す。
足元の状況は堅調に推移するが、FA向けでは顧客の在庫の消化が一部の業界で進む一方、米国関税の影響で不透明感が増している。医療向けでは案件を着実に獲得しており、サポートエリアが拡大したことで今後の需要獲得が見込めるという。デバイスでは国内で防犯、防災の観点からセキュリティーカメラの需要が高まっている。
グローバルでは、同社の香港拠点の統括により上海、タイ、ベトナム拠点での連携を強化。ASEAN市場での顧客対応力を高めた。インドに拠点を持つグループ会社のリ・チャンプは順調に推移。インド現地ローカルを攻めており、スマートメーター向けやプリント基板が伸びている。
今後は米国関税に伴う不透明感があるものの、自動化、省人化に伴う装置ビジネスの拡大や「グローバル」「メディカル」「オリジナル」などの四つ成長戦略の進化で実績アップを目指す。メディカルでは診断装置や放射線治療情報システムなどの取り組みを推進。オリジナルではOPCサーバーを海外でも提案するため米国、インドで人材強化を図る。
また、ビジネスの変革では「エネルギーソリューション」「マテリアル」などNEWビジネスの創造を強化する成長領域を定めた。エネルギーソリューションでは、電力の自己託送を推進。滋賀県に太陽光パネルを設置して本社の電力の一部カバーする自己託送を9月から開始する予定。このビジネスモデルを取引先にも提案する。
岡垣社長は「当社の強みはパートナー商品、自社製品、システム開発を組み合わせたトータルソリューション。つなぎの技術力とコーディネート力を組み合わせ提供する。顧客のニーズを把握し、自社とパートナー製品をつなぎ、問題解決ができるビジネスに注力したい」と語った。