2025.08.06 SiCパワー半導体に参入 タイワン・セミコンダクター
SOD-128を採用し小型化に成功した新製品
アナログ半導体を手掛けるタイワン・セミコンダクターが、SiC(炭化ケイ素)を使ったパワー半導体の市場に参入する。金属と半導体素子を使い整流を行うSiC製の「ショットキーバリアダイオード」を、日本にも投入した。世界最小のパッケージを実現したことを武器に、電気自動車(EV)向け部品の需要を開拓する。
同社は、直流のバッテリー電源を交流に変換し電動モーターを駆動する「トランクション・インバーター」の、補助・保護回路として使うショットキーバリアダイオードを、SiC製品として展開する。
SiCは、多くの半導体に使われるシリコンに比べて大電力を扱えるため、EVなどを支える次世代材料として実用化が進んでいる。
パッケージの規格には「SOD-128」を採用するものもあり、3.8×2.5×1.0ミリメートルで、1200V(ボルト)耐圧のSiCショットキーバリアダイオードとしては世界最小だ。設計の自由度の向上や基板の小型化につながり、車両の走行距離の延長や重量の軽減に寄与する。
同社でプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントを務めるサム・ワン氏は新製品について、「性能、サイズ、コストにおいて最適かつタイムリーな提案となる」とコメントしている。