2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】主要ソリューションプロバイダーにアンケート 電波新聞社まとめ

 電波新聞社は、主要ソリューションプロバイダー各社に2025年後半の市場、デジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)の取り組み、海外展開についてアンケート調査を実施し先の見通しを探った。アンケートは毎年新年と夏の2回行っているもので、各社の景況感の見方と施策、成果を定点観測している。今回は25年8月12日から8月27日まで実施し27社から有効回答を得た。

重点施策は「AI関連の取り組み」

 25年後半のICT(情報通信技術)関連市場は、25年前半から続き堅調に推移しそうだ。クラウドやAI(人工知能)など最新のデジタル技術を活用した投資は各業界ともに旺盛でデジタルへの移行はこの先もさらに進んでいくとみられる。

 アンケート結果によると、足元の受注状況はおおむね順調で4~6月は「大幅増加」が4%、「増加」が59%で6割以上が増えている。7~9月も「増加」が6割を超えた。ただ10月以降は少し慎重な見方も出ていることが明らかになった。引き続き「増加」が半数を超えるものの、「減少」とみる回答もあり、客先によってばらつきが出てきそうだ。

 25年後半の業種別の受注見通しは前回調査から引き続き製造業が好調に推移しそうだ。「増加」を選択した企業は63%に上った。半面で製造業は「減少」を選択している企業もあり、前回同様に客先の違いなどが受注見通しに影響してきている。

 流通業は昨年夏の調査で「増加」の割合が2割台まで下がったが、前回調査で4割まで戻し、今回も35%となった。金融は「増加」が半数弱で、前回よりも増加を選択した企業は減少。公共は「大幅増加」を含め「増加」の割合が半数以上あり、引き続き自治体システム標準化の動きが後押ししそうだ。ただ公共は「減少」を選択した企業の割合が多く、後半に向けて案件が落ち着くところも一定数出てくるとみられる。

 市場の見通しについては「緩やかに成長し続ける」の回答が前回よりやや減少したものの81%だった。マイナス成長を予測する回答はないものの、成長期間を25年中、26年3月ごろまでとみる企業もあり、前回同様先行きに警戒感を示す動きも一定数あった。

 為替の影響については、出ていない企業が前回から8ポイント増え56%だった。良い方向に出ている企業が前回の30%から20%となり、悪い方向で出ている企業は前回より2ポイント増え24%。米関税政策もあり海外動向に不透明感はあるものの、多くが国内情報サービスを中心に展開しているため影響は限定的だった。

 25年後半に伸びる分野は前回調査同様に上位に入る分野に大きな変動はなく、「クラウド」「生成AI」「AI」「セキュリティー」となった。前々回調査から「生成AI」を選択肢に加えたが、AIと生成AIへの期待度は非常に高い。前回調査から回答数が大きく減ったのが「IoT」と「カーボンニュートラル」。「ビッグデータ対応」や「チャットボット」も減少した。

 25年後半の重点施策は前回同様に「AI関連の取り組み」が首位となった。前回3位だった「セキュリティーの強化」が再び2位となり、前回2位の「サービス事業へのシフト」は3位となった。サービス化への取り組みが各社とも急務になっていることもあり、「サービス事業へのシフト」や「マネジメントサービスの取り組み」の選択も多かった。伸びる分野と同様に25年後半はAIとセキュリティー、サービス化が各社の成長のカギを握りそうだ。

DX関連サービス「クラウド」首位

 デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みについては提供している企業は100%(前回100%、前々回97%)となり、全企業が取り組んでいる。DX関連のサービスでは、前回同様に「クラウド」が首位で、「AIを組み込んだシステムやサービス」「IoT」と続いた。「モバイル対応システム」の回答数は減少した。

 DX関連の売り上げ状況については「伸びている」と回答した企業が大半を占めているが、前回同様に一部で「伸びていない」との回答もみられた。モバイルやIoT、ビッグデータは「売り上げが伸びていない」との回答数が前回から減った。

 これまでAI関連は売り上げにつながっていないという回答が一定数みられたが、今回調査で大きく減少し、売り上げに貢献し始めていることが明らかになった。

 今後取り組んでみたいサービスについては一部で「AI」「メタバース」が挙がったが「ない」が最も多かった。

GXに取り組んでいる企業が74%

 前回から設問に加えたGX(グリーントランスフォーメーション)の取り組みについては、取り組んでいる企業が74%(前回78%)だった。最も多かったのが「脱炭素化に向けた社内実践」「SDGsの目標設定と実践」が1位で「社外への脱炭素化ソリューションの展開」と続いた。

 一方で取り組んでいない企業もあり、理由について聞くと「まだ先だと考えている」が最も多かった。「手が回らない」という回答も目立った。「取り組みへの理解度が低い」「優先順位が低い」といった回答もあった。環境への取り組みの成果は100%(前回92%)が「出ている」と回答した。GHG(温室効果ガス)削減に向けた取り組みで成果を出しているところが多く、ソリューションの他社展開を始めているところも増えた。

 サステナビリティー経営については81%(前回75%)が「必要で既に取り組んでいる」と回答し、「取り組み始めているが途上」の19%(前回19%)を含めると100%(前回94%)が取り組んでいることが分かった。前回よりもサステナビリティー経営への浸透がさらに進んでおり、今後さらに進展していきそうだ。

北米に期待、海外展開を増加へ

 グローバルに関しては「海外展開している」と回答した企業が78%(前回72%、前々回67%)となり、撤退したところは4%(前回3%、前々回6%)あった。海外事業の多くは営業拠点とオフショアで、両方を展開しているところも多い。研究開発拠点を置くところもあり、この傾向は前回から変わらない。海外売上高比率は前回同様「0~3%」の企業が最も多く44%(前回43%、前々回48%)だった。2位は「3~5%未満」(28%)で、3位は「20~30%未満」(11%)だった。

 海外売上高は「増えている」という回答が35%(前回32%、前々回42%)となった半面、「減っている」との回答は20%(前回9%、前々回11%)で、前回よりも割合が増えた。増えている企業は需要拡大やパートナー連携などで拡大していた。減っている企業は米関税政策の影響を受けているところもあった。

 海外事業の今後については60%(前回64%、前々回55%)が「増やす」と回答し、海外展開している企業は増やしていく意向が多いことが分かった。前回まであった「減らす」という回答はなくなった。海外展開をしていない企業については、今後の予定は「ない」が25%(前回38%)だったが、「ある」との回答も25%(前回12%)あった。未定は50%だった。

 今後期待できる地域は、1位が前回同様に「北米」となった。2位も前回同様に「インド」だった。以降、「ベトナム」「タイ」と続いた。前回同様に西欧も底堅いほか、中国は前回から回答数を増やした。南米や豪州は回答企業数が減った。その他でマレーシアや台湾を挙げた企業もあった。

アンケート回答企業一覧

 ▽伊藤忠テクノソリューションズ▽インターコム▽内田洋行▽SCSK▽NEC▽NECソリューションイノベータ▽NECネクサソリューションズ▽NECネッツエスアイ▽NECプラットフォームズ▽NSW▽大塚商会▽キヤノンITソリューションズ▽コア▽サイボウズ▽シーイーシー▽Dynabook▽電通総研▽東芝ITサービス▽日本事務器▽日立製作所▽日立システムズ▽日立ソリューションズ▽日立ソリューションズ・クリエイト▽ビジネスエンジニアリング▽富士通▽ユニリタ、ほか1社計27社