2025.08.29 【ソリューションプロバイダー特集】各社の事業戦略 日本事務器 田中啓一社長
ITの導入を幅広く支援
新しい「当たり前」に対応
業績は、おおむね計画通りで推移している。特に医療分野で電子カルテ関連が堅調で、大型プロジェクトが成長をけん引している。医療機関はコスト高に苦しんでいるが、人手不足を補うソリューションのニーズは高い。
IT業界では引き続きDX(デジタルトランスフォーメーション)がキーワードとなっており、クラウド化やサイバーセキュリティーへの関心が高い。セキュリティー製品の提供だけでなく、運用まで支援するマネージドサービスが好評だ。
プログラムを必要としないノーコードやローコードツールの導入支援や、チャットGPTなど生成AI(人工知能)の企業活用支援も進めている。ただ、部署単位の業務を効率化する部分最適に陥りがちなので、全体最適の観点からコンサルティングできるよう取り組んでいる。
昨年は創業100周年を迎え、感謝会などで全国数千人のお客さまと直接対話をすることができた。そこで得た声を次の成長に生かしたい。顧客の業務に詳しいだけではなく、次の新たな施策を提案する「おせっかい」活動を通じて、さらに信頼関係を深めたい。
事業戦略では、既存領域、成長領域、創造領域の三つの柱で展開している。民需やヘルスケアなど既存の事業領域、現時点で取り組んでいる分野に対するビジネスを中心に拡大を図っているが、それだけでなく、既存領域の周辺分野にも着目し、成長領域としてさまざまなアプローチでビジネスにつなげている。例えばヘルスケアでは「未病」の分野がそれにあたる。
創造領域では、新しい目線でのサービス提案を実施しており、農家と市場・青果卸をつないで食産業を支援するコミュニケーションツールが軌道に乗り始めている。ほかにも漁業支援のためのソリューション開発など多分野をターゲットに取り組んでいる。
また近年の取り組みとして、社員が現行業務を行う上で必要な研修を受けるだけでなく、自発的に学べる学習サービスを提供するなど進んでスキルアップができる環境を用意している。
全社的にAIやITツールの活用を促進し、社員一人一人が「相棒」となる生成AIと仕事ができる環境を用意したり、3Dプリンターを誰でも利用できたり、多様なものを作ることができるようにしている。先端技術に触れる機会を増やすことで、その過程から新しい発想が出てくることを期待している。
昨今はITを使うことが当たり前になっているが、技術は進化し新しい「当たり前」が生まれていくことが想定される。その時に迅速に対応できることで当社が頼られるよう先端技術にも常に取り組んでいきたい。