2025.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】再開発が進む大阪地区 森之宮地域 大阪公立大の新キャンパス ヘルスケアなど産学官に弾み
開設した森之宮キャンパス(提供=大阪公立大学)
大阪城の東に位置する大阪市城東区の森之宮地域。先日、同地区の新しいシンボルとなる大阪公立大(OMU)森之宮キャンパスの開設記念式典が挙行され、学生・教職員数6000人の「知の拠点」が始動した。文学部、医学部リハビリテーション学科、生活科学部食栄養学科と、1、2年生の基幹教育が入る。
森之宮キャンパスは大阪府市の「大阪城東部地区まちづくり」の第1期プロジェクトとして建設された。建設費452億円、敷地面積は約1万9300平方メートル。13階建てのビルにイベントスペースを多く取り入れ、国際会議にも対応。第1回の国際会議として、11月27日にヘルスケアや防災などをテーマにした会議が開催され、内外から人が集まる。
1期の西側には大阪メトロと共同で行う敷地面積約4300平方メートルの1.5期プロジェクトが計画されているが、資材費などの高騰で進行が中断。民間企業の進出も進んでおらず、当初予定の2028年度のオープンは難しそうだ。1.5期の敷地にはOMUのキャンパスが50億円の建設費で予定されているが、現状では建設費の増額が必要になる見込み。1・5期のプロジェクトには工学部情報学研究科が入る予定。
森之宮地区を中心とした大阪城東部地区には大阪メトロが空飛ぶタクシーの離発着場建設を予定しているほか、新駅・新線の建設などの計画がある。
OMU戦略推進室シニアディレクターの柴山敬氏は「都心に近いため、企業が気軽に立ち寄れるキャンパスづくりで、ヘルスケアなど産学連携に弾みをつけたい」と期待する。
OMUは大阪府立大学と大阪市立大学が統合して誕生。23年に初の1年生が入学した。