2025.09.26 【関西エレクトロニクス産業特集】Beyond EXPO 次世代通信 IOWN活用で一体感 ライブパフォーマンス、遅延なく映像を表示

NTTパビリオンではPerfumeの演技に臨場感と没入感タップリ

 実証から2030年代に向けての実装へ。大阪・関西万博では次世代通信で興味深い取り組みがみられた。NTTパビリオンの大容量・低遅延通信が可能な次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」と、総務省の次世代情報通信インフラ「Beyond 5G」だ。

 5月24日に台湾とパビリオンをつなげ、IOWNを利用した「超歌舞伎」が「EXPOホール」で上演された。台北市の会場にいる伝統芸能の演者によるパフォーマンスが万博会場に遅延なく映し出され、中村獅童さんの演技も台湾の会場に瞬時に届いた。

 1970年の万博会場だった大阪万博記念公園で実施されたPerfumeによるライブパフォーマンスも見事。目の前で実際に踊っているような3D映像、Perfumeのステップに合わせて振動が床に伝わる仕組み、踊るPerfumeの躍動感が感じられた。まるでライブだ。

 同パビリオンの来場者は、万博会場内のパビリオン、施設などの主要施設間を光ファイバーネットワークに接続されたIWONにより、来場者は距離感のない一体感と没入感のあるエンタメ体験を満喫。

 総務省は5月26日から9日間、EXPOメッセ「WASSE」で「ポスト5G」(B5G)の研究開発や最先端技術を紹介するイベント「Beyond 5G ready Showcase」を開催。2000平方メートルのスペースに日本の次世代通信6Gへの取り組みを世界に発信した。

 展示は、B5Gの理解を促進してもらうため三つのゾーンに区分けされた。①プロローグシアターはB5Gが実現した未来の社会と生活のイメージ、疑似体験などを紹介する②未来都市エリアと技術体験ブースは疑似体験を提供③企業や研究機関によるB5Gの開発技術の展示。

 開発技術の展示では、総務省と情報通信研究機構(NICT)の基金を使って開発中の最新技術が来場者に披露。

 この展示コーナーではAPN(オール光ネットワーク)の共通基盤技術、水中・海洋における通信技術、HAPS(成層圏プラット-ム)などが紹介され、通信関係者でにぎわった9日間だった。

 ショーケース開催初日には「ノルディック・サークル」(北欧パビリオン)でも6Gのセミナーが行われ、フィンランドのオウル大学が6Gの取り組みを紹介、B5Gへの関心の高まりを印象付けた。