2025.10.01 荏原、異物を詰まらせない「ノンクロッグ」ポンプを世界展開、公共・建築市場狙う
異物が詰まりにくい設計の汚水水中ポンプ「DKE型」
荏原製作所は、異物が詰まりにくい非閉塞性構造と高効率運転を両立したというノンクロッグ汚水水中ポンプ「DKE型」の世界展開を開始した。2023年から米国向けに先行販売していたが、25年8月から欧州、中国、東南アジア、中東などの電源周波数50Hz地域に投入。今後は日本や60Hz地域でも販売する。
汚水水中ポンプは、下水処理場や、ビルやマンションの地下、工場などの排水に必要不可欠な設備。汚水にはさまざまな異物が混入して詰まり、運転停止や分解点検などに伴うメンテナンス費用の発生が設備管理者にとって大きな負担となる。新開発の羽根車と異物の閉塞(へいそく)を防ぐ非閉塞性構造で、機器内の異物の詰まりを抑制する。「IE3」水準の高効率モーターを採用し、従来モデル比最大15%消費電力を削減できるとも打ち出す。
吐出口径は65~300mm、モーター出力(三相)は1.5~45kW。吐出量は毎分0.07~13立方メートル。全揚程は4~44m。取扱液は汚水と雑排水で、取扱液温が0~40℃。ポンプ水没の最大水深は8m。オプションとしてフロート式の漏水検知器を用意する。
同社によると、先行する米国では自治体や建築業などを中心に導入が進む。「強みは生活排水が含む不織布、ロープ、オムツなどの異物を詰まらせることなく流すことできる点」といい、欧州、アジア、中東などでも同様に公共や建築分野の開拓を狙う。一部、工場のユーティリティーとして使う可能性もあるという。