2025.10.10 万博の運営収支、最大280億円の黒字見込み 大屋根リングなど再使用へ

記者会見する日本国際博覧会協会の十倉会長

会見に臨む万博協会の石毛事務総長会見に臨む万博協会の石毛事務総長

 日本国際博覧会協会は、大阪・関西万博での2025年10月末の運営収支が230億~280億円の黒字となる見通しと発表した。万博のシンボルである大屋根リングやその他の協会資産のリユース(再使用)に向けた取り組みを進めていることも公表した。

 万博の来場者数は4日時点で2361万人と、2005年の愛知万博(愛・地球博)の2204万9544人を超えた。

 万博協会は、24年2月時点で運営費を1160億円とし、うち969億円を入場券の売り上げで賄う計画を立てていた。入場券収入やグッズ、飲食関連などの売り上げが好調だったことで、230億~280億円の黒字となる見込みとなった。公式ライセンス商品の総売り上げは、8月末時点で約800億円となっている。

 大阪市内で7日に開かれた記者会見で万博協会の十倉雅和会長は、剰余金の使い道について、「科学技術の発展や命の大切さといったわれわれが訴えてきたことや皆さまに感動していただいたものを残すために使っていければ」と述べた。

 大屋根リングは、残置の候補となっていた南西側350mを可能な限り残置することが決まった。北東部分約200mは既に残置することが決定している。

 石毛博行事務総長は「大屋根リングの一部が残っている場所に行くことで、この万博がどのようなものだったのか個人個人が思い出せるのでは」と話した。

 万博会場の中心部に配置されたシグネチャーパビリオンや特徴的な設備などについては、移築に向けて9月から順次公募を開始。建材や什器(じゅうき)などは、リユースする。

 閉幕日となる13日に行われるセレモニーについても言及。会期中に行われた展示やイベント、議論の成果を宣言としてまとめるフォーラムを開く。来賓を招いて閉会式も行う予定だ。