2025.10.30 九工大発宇宙スタートアップ2社、北九州市長を表敬訪問
左から三谷学長、佐藤社長、武内市長、布施社長
九州工業大学(北九州市戸畑区)発の宇宙スタートアップ「Kick Space Technologies」と「Kyutech Space Solution for Emergings(KS4E)の2社の代表と同大の三谷康範学長が、武内和久北九州市長を22日に表敬訪問した。両社の事業概要の紹介に加え、地域連携や宇宙産業振興に関する意見交換を行い、武内市長も今後に期待を示した。
2025年7月に設立したKick Space Technologiesの佐藤凜社長は九工大の宇宙システム工学科を25年3月に卒業したばかり。事業では同大の持つ超小型人工衛星のノウハウを活用し、製造から試験、運用まで一貫したサービスを提供する。既に引き合いがあり、来年導入の事案も進んでいる。
10月設立のKS4Eの布施哲人社長は、九工大の研究本部先端基幹研究センター革新的宇宙利用実証ラボラトリーで特任准教授を務めている。同大の国際的な連携ネットワークを活用し、新興国での超小型人工衛星の開発トレーニングや活用へのサービスを提供する。
九工大は、学術機関による超小型人工衛星の打ち上げ数で18年から8年連続世界1位の実績。超小型衛星向けではJAXA(宇宙航空研究開発機構)と同等クラスの宇宙環境試験に特化した衛星試験施設を持ち、産学連携などで宇宙産業の裾野を広げる取り組みを進めてきた。社会実装推進の拠点として11月4日に戸畑キャンパスで開所する「九工大未来テラス」には、今回の2社が入居する。
北九州市は宇宙産業の振興に取り組んでいる。市内に拠点のある115団体が参加する「北九州宇宙ビジネスネットワーク」は、市内でサプライチェーン構築を目指すKick Space Technologiesにも協力している。武内市長は九工大のこれまでの実績を「大きな財産」と評価し、スタートアップ2社へ「北九州市の宇宙産業におけるエンジンとして、日本の宇宙産業をリードしていくような企業として飛躍されるよう、活躍に期待したい」と話した。







